なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

会議の本当の意味

 

 日本の会社は会議が多い。会議が会議になっていないという意見は昔からあり、ビジネス書の棚を見れば、会議をどのように活性化させるかというテーマの本が並んでいる。だが今も昔も、日本の会議は変わっていない。いい悪いはともかくとして、日本の会社における会議は議論することが目的ではないのだ。

部長に浴びせられた一言
 ある広告会社では毎週月曜日に営業会議を行っている。営業担当者は先週の営業状況を報告し、案件が進みつつある顧客については提案内容を皆に報告する。それについて質問や意見などを出し合うというのが、会議の趣旨である。

 営業担当のEさんは、いつものように会議に出席していた。隣の課のNさんが営業の進捗状況を説明し、その後、Nさんが提案している内容についての説明に移った。

 Nさんが説明を終えると会議を仕切っている営業部長のT氏が「何か質問や意見は?」と聞いた。誰も答えない。T部長は突然Eさんを指名した。「何かあるか?」

 Nさんはその会社のことをよく知っていた。そこでNさんはその会社がどのようなマーケティングを行っているか、顧客層はどのような状態か、当社としてはどのようなアプローチで提案していくのが望ましいか、などにについて意見を言った。
 T部長は感心したように「よく勉強しているね」Nさんに言った。Nさんがホッとしたのもつかの間「N君、そんなに詳しいのに、何でこの会社に営業できていなかったワケ?」と冷たく言い放った。

会議の本当の目的とは?
 Nさんは会議を行う本当の目的を理解していなかったのである。日本の会社は予定調和が第一である。会議は予定調和にしたがって、ものごとが順調に進んでいることを相互に確認し、共同体としての「和」が保つための儀式なのだ。たとえそれが虚構であってもだ。

 実際、ムリなノルマが課されていて、どう考えてもクリアできるはずがないのに、来週までは100%達成します!という空虚な宣言で会議は終わる。
 本当の意味で情報を共有したり、議論をする場ではないのだ。 
 T部長はいろいろと自説を述べたNさんを「生意気だ」と思ったのかもしれない。こういうムラ社会では、やはり大人しくしているのが無難なのだ。

なぜか批判を受けるプラン
 会議のもう一つの重要な目的は、社会の力関係を再確認することである。

 あるメーカーの新入社員G君は、何回か会議に出るうちに、会議における暗黙のルールを知った。それは、力を持っている人が正しいという身も蓋もないものである。

 その会社の会議では、新しい技術開発のプランについてそれぞれが発表する場であった。発表した内容について意見を出し合い、その方向性を決めることになっている。

 社内で出世候補と呼ばれている社員が発表する内容には質問や多少の意見がでるものの大きな異論は出てこない。

 これに対して社内であまり評価されていない社員の発表には、否定的な意見が集中する。部門の責任者は総合的に判断する役目なのだが、多くは「空気」で評価をしているようだった。出世候補の社員の発表にはやたらとポジティブなコメントを出すのだ。

力のある人の言うことが正しいこと
 技術は評価方法によって様々解釈があり得るので、絶対的な答えというものはない。だがG君から見ると、批判を受けている社員の発表内容はかなり有意義に思えた。G君は自分の技術に対する理解が間違っているのかと思い、比較的親しい先輩社員にたずねてみた。

G君「○○さんの案はずいぶん批判されていましたが、そんなに悪い案なのですか?」
先輩「君はどう思うの?」
G君「いい技術だと思います」
先輩「僕もそう思うよ」「でもそんなことウチでは関係ないんだよ」

 G君はまだ新人だが、出世のひとつの糸口は掴んだようだ。

【参考記事】
敵を作らないことは成果を上げることより重要
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

  関連記事

guntai040
ガバナンスのメカニズムを知れ

 組織で出世しようと思ったら、その会社の出世のルールを知る必要がある。そして、出 …

menomae3211
ライバルは目の前にいない可能性が高い

 会社の中には、自分のライバルになる社員がいる。だが今、目の前にいて、成果を競っ …

bekkimondai74
ベッキー問題から考える、組織での遊泳術

 ベッキー問題がなかなか収束しない。本コラムではいつものことだが、話題になってい …

PHM11_0151
出世したいなら情報は出し惜しみするな

 組織が大きくなればなるほど情報の重要性が高まってくる。人事異動の前には、ガセネ …

GD006_L
部下に気に入られないと出世できない?

 出世の決め手となるのは、多くの場合、直属の上司と周辺の部署の上司による高評価で …

hokoku
出世できないタイプの鉄板「社内評論家」

 前回、出世できないタイプとして取り上げた「でもでも」君だが、これに引き続いて今 …

FE023_L2210
プログラミングのスキルは必要か?

 今、子供向けにプログラミングを教えるスクールが大流行だという。自分の子供をザッ …

ES120_L01
グルメの方が出世できる

 グルメの人は出世に有利である。いろいろなお店をバランスよく知っていることは仕事 …

Image2
出世する人は決断を迫るのが上手い

 上司や顧客でなかなか決められない人は多い。すばやく決断ができる上司や顧客はむし …

potechi
カルビーCEOから学ぶ組織のマネジメント

 最近、菓子メーカーのカルビーの経営がメディアに取り上げられるケースが増えている …