なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

実績を過信するな!

 

 当然のことだが出世するためには仕事で実績を出すことが極めて重要である。中には実績がないのに、うまく上司に取り入り出世できる人もいるが、基本はやはり実績である。

 だがこのことは、実績さえあれば大丈夫ということを意味しているわけではない。実績を過信するのは危険だ。実績は作られることがあるからだ。


新規案件を開拓したが・・・
 組織の中では、上司が気に入っていて引き上げようとしている人に対して、実績がプレゼントされることがある。こうしておけば、特定の人を優遇したといわれずに済むからだ。

 金融機関に勤めるOさんは、これまで取引きのなかった会社にコンタクトを取ることに成功した。比較的資金需要のある会社で、新規開拓先としてはなかなかの会社だった。

 会社には現場の社員が開拓する新規案件と上層部同士の話で決まる新規案件があるが、その会社の案件は、実は両社の上層部で話が進んでいた。
 それを知らないOさんはその会社に営業をかけ、相手の担当者もそれを知らずに提案を検討している状態であった。やがてOさんは両者の上層部が取引きを検討していることを知る。

副社長がポロっともらした一言
 Oさんは上司であるNさんと一緒に取引きのキーマンとなっている副社長をたずねた。副社長はこう言った。

「この案件は○○のところに回そうと思っていたのだが・・」
「まあ、でも営業は早いもの勝ちだ」
「O君が開拓したのなら、この案件はN君のところにあげるよ」

 副社長がポロっと口にした○○というのは、副社長のお気に入りで、将来の社長候補No1と呼ばれている課長のHさんの名前であった。

 Hさんはもちろん実績も上げてきていたが、副社長の推薦によってトントン拍子で昇進していた。副社長はさらに磐石の実績をHさんに残すために、社内での評価が高くなる優良な新規案件を優先的にHさんに割り当てようとしていたのである。

 Oさんはこれから課長に昇進する年齢だが、管理職以上の実績は、場合によっては意図的に作られることを肌身で知った。その後、Hさんは本部長に昇進し、Oさんの上司は地方に異動になってしまった。

 この副社長はHさんに案件を割り当てようとしたことをあまり隠そうとはしていないので、まだ良心的かもしれない。だがこういった業績のかさ上げは水面下ではかなり露骨に行われているのである。

数字がすべてといえるのは断トツでトップの人だけ
 管理職以下の場合には、これほど露骨に案件の割り振りが行われることは少ない。だが、特定の人を優遇する意図はあまりなくても、結果的にそうなっているケースは多い。

 上司にしてみると、自分の実績になる優良案件は、できるだけ信用できる部下にまかせておきたいと思うものである。そうであれば優良案件が自分に回ってきたときには、自分とコミュニケーションが良く取れていて、安心できる部下を担当者にするだろう。これが周囲から見れば、特定の人を優遇しているように映るかもしれない。

 営業職など数字が重視される職場では「数字がすべてであり、数字さえあげていれば出世できるはず」と思っている人も多い。

 確かに営業の現場では数字が絶対的な影響を持っていることが多い。だがそれは、断トツの営業成績を残している人の話である。

平均レベルの社員にとって数字はそれほど重要ではない
 多くの組織が、断トツの結果を残す1割の人間と、平均的な結果を出す6割の人間、平均以下しか結果を出すことができない3割の人間で構成されている。
 平均以下の3割が出世できないのは当然として、もっとも多いのが平均的な6割の社員なのである。ここではドングリの背比べとなる。多少の営業成績の違いは誤差にしかならない。
 こうなると、バランス感覚であったり、周囲との協調性、上司とのコミュニケーションなどが意味を持ってくる。そして上司は有望な部下によい案件を割り当てることになり、結果的に成績も向上してくるのだ。

 断トツの営業成績であるにもかかわらず、まったく出世できないという人はほとんどいない。だがそこそこの成績をあげているにも関わらず「自分はなぜ出世が遅いのか?」と考えてる人がいるとするならば、上記の理由を考えてみるとよいだろう。

【参考記事】
やたらヨイショする人は出世できる?
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

  関連記事

a0002_003660
上司と部下は似てくる

 多くの人にとってはあまり受け入れたくないかもしれないが、上司と部下は似てくると …

kankeisei
出世できる人は、うるさい相手ではなく、必要な相手に時間を割く

 社内や顧客の中には面倒でうるさい人がいる。こうした人はたいていの場合、深く付き …

furo
そこまでするか?という出世学

 世の中には、そこまでするか?ということをやって何とか出世しようとする人もいる。 …

keikoku001
徐々に出される警告を理解できない人は出世できない

 最近は日本企業でもグローバル企業的な文化を持つところも増えてきた。グローバル企 …

bokuboku
知ったかぶりも使い方次第では・・・

 知ったかぶりは、もっともやってはいけないことの一つと言われている。実際に知識の …

maemuki0003
苦労を楽しむなどと考えてはいけない

 ビジネスマンとして成長するためには、「苦労を楽しむ」といった前向きな気持ちが重 …

HENSA
企業で学歴が重視されるわけ

 日本の会社では学歴を重視する風潮が強い。社歴が古い大企業などではその傾向が顕著 …

Image2
出世を考えるなら責任転嫁は原則禁止だ

 自分の仕事の失敗を人になすりつける人がいる。やられた方はたまったものではないが …

EY061_L
上司をコントロールしろ

 上司に対して不満を持つビジネスマンは多い。指示が不明瞭、うまくいかないと部下の …

a0001_0176201254
男尊女卑の人は出世できない?

 男女雇用機会均等法が施行されてから30年近くが経つ。男女の区別なく能力を発揮さ …