なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

出世したくない人が増えているのは本当か?

 

 最近、若い世代のサラリーマンで出世を希望しない人が増えているという記事をよく見る。
 管理職に昇進しても給料は増えず責任だけが重くなることが多く、昇進しない方が気楽でよいという。
 最近の若い人が云々というのは、いつの時代にも繰り返されてきた話題であり、基本的にあまり信用しない方がよい。昇進を希望しない人が増えているという話はバブル時代や高度成長期にもあった。特に目新しいことではない。

出世できなくてもよいというのは、実は高度成長期の話
 それはともかく、本当に出世しなくないという人はたくさんいるのだろうか?また、出世したくないという希望は実際に受け入れられるのだろうか?答えはイエスでもありノーでもある。

 出世しなくてもよいと考える人の多くは、無意識的に、出世しなくてもそれなりの給料と立場が維持されるということを前提にしている。もし、出世した人は億の年収となり、出世できないと給料は恐ろしく安く、しかもいつクビになるか分からないという環境であれば、ほとんどの人が出世を希望するだろう。
 つまりあまり出世したくないというのは、終身雇用と年齢による昇給が維持されていることが前提なのである。

 今までの日本であれば、これが実現できるケースも少なからずあった。日本経済が右肩上がりで成長し、昇進はしなくても勤続年数で昇給を続けることが可能であった。また事業も拡大を続けていたので、どんな人でも恥ずかしくない程度のポストには昇格させることができた。

同一職種、同一賃金であれば実現可能だが
 だが今の時代はそうはいかない。経済のパイが縮小しているため、分け与えるポストは少なくなる一方である。会社としては管理職でない人に高い給料を払いたくはない。出世しないヒラのベテランよりも給料が安い新人を活用した方がよいということになり、年齢が高い社員の居場所は少なくなってくる。この傾向は今後も続く可能性が高い。

 そうなってくると、出世したくないというスタンスの社員が存在し続けることは難しいだろう。

 この問題を解決する唯一方法は、諸外国がやっているような同一職種、同一賃金の導入である。これは、同じ仕事であれば、年齢に関係なく同じ賃金しか支払わないというもの。

 例えば、ヒラの営業職であれば20代の若者も50代のベテランも同じ給与をもらう。営業チームを管理する営業チーフになれば、給料は上がる。ただしチーフに昇格するのは優秀な成績を上げた人であり、25歳の若者かもしれないし、50代のオジサンかもしれない。

 こうなると社内の競争は、全体的な出世競争ではなく、同一職種の中での争いとなる。同期で誰が出世するのかではなく、営業チームの中で誰が実績を上げるかが重要となる。競争相手は、年齢が大きく離れた社員かもしれないし、同世代かもしれない。

ガラパゴス化した日本では導入は困難
 同一職種、同一賃金の場合には、社員が持つ専門性が評価される。高い専門性を身につけ、常に高い実績を上げられるだけの実力があれば、出世することなく、好きな職種で、相応の給料をもらえるという働き方も可能となるかもしれない。

 現在のところ、このような雇用体系に完全に移行できている日本の会社はほとんどない。多くが従来型の一括採用、年功序列型である。

 同一職種、同一賃金を導入するということは、年功序列と終身雇用という既得権益を廃止するのと同じことである。労働組合などの圧力が強い日本ではおそらく実現不可能であろう。

 また日本市場はガラパゴス化が進んでおり、グローバル化しない会社もかなり出てくる可能性が高い。そうなってしまうと、さらに同一賃金、同一職種の導入は難しくなる。「出世せずに気楽に」という構図は描きにくいのだ。
 もちろんそのようなジャパニーズ企業は原則、終身雇用なので、雇用と最低限の給料は維持されるだろう。だが労働条件は年々厳しくなると思った方がよい。

 これからの時代、日本型の企業において出世を目指さないとうのは、かなり困難な目標となりつつある。

【参考記事】
仕事への情熱は人によって違う
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

  関連記事

a0001_016186
キャリアの複線化は必要か?

 日本では終身雇用の制度が崩れつつあり、入社した会社にずっと在籍し続けるという人 …

mekakusi5564
出世できない人は他人が見えていない

 出世できない人は、他人が見えていない。もちろん、これは他人の姿が視覚的に見えな …

FE021_L
誰にアピールすればよいのか?

 組織で出世するためには、誰かの「押し」がなければダメだ。営業職など数字がモノを …

0001
演繹と帰納、出世するための思考回路とは?

 ビジネスで直面した課題を解決するために、ビジネスマンはいろいろと知恵を絞ってい …

PHM11_0259
出世できる人は大変そうに仕事をしない

 同じ仕事をしていても、つらそうに仕事をしている人とそうでない人がいる。もちろん …

PHM11_0258
アンケート結果から逆算する出世の法則

 日本人の職場に対する考え方は諸外国に比べるとかなり変わっているという。職場に対 …

a0003_001814b
不機嫌さは想像以上に周囲に伝わる

 上司から見て、仕事を指示した際に嫌な顔をされることほど不愉快なことはない。同僚 …

a0008_001789
出世したいなら話は自己完結させよ

 出世できる人の話や資料には明確な特徴がある。話や資料の中でストーリーが完全に自 …

GD194_L001
出世にリーダーシップはいらない

 組織の中で上に立つ人にはリーダーシップが必要だとよくいわれる。確かにその通りな …

tuskiai7500
付き合いは等距離が基本

 出世を考えるのであれば、若いうちの社内の付き合いは、できるだけ各方面と等距離な …