なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

社畜にならないと出世できないのか?

 

 世の中には社畜という言葉がある。企業に飼いならされ、自らの意思を放棄した奴隷状態のサラリーマンを揶揄したものである。評論家の佐高信氏が広めたといわれている。この社畜という言葉には、多くの人が敏感に反応するらしく、ネット上では「社畜で何が悪い!」などという反論も多く見られる。
 この社畜論は企業での出世を考える上で有益な情報をもたらしてくれる。今回は社畜論である。

外国にはワーカーホリックは大勢いるが社畜はいない
 会社の仕事で多大なストレスを受け、長時間労働を強いられているビジネスマンは世界中に山ほど存在する。特に米国では狂ったように仕事をする人が多い。だがこのような猛烈ビジネスマンはワーカーホリックとは呼ばれるが社畜とはいわれない。

社員食堂?で一斉にメシを食う社畜

 やはり社畜という言葉には、自主性のなさ、意志の弱さなど、人間として恥ずかしいというニュアンスが含まれている。だからこそ、このキーワードには多くの人が敏感に反応するのだ。
 
 ではなぜ日本でだけ社畜が大量生産されてしまうのだろうか?

 それは、本コラムでは何回か指摘していることだが、日本人が深層心理として競争を回避しているからである。
 日本の企業社会は基本的にムラ社会であり、既存の秩序を守ることが最優先される。その代わりそれを受け入れれば一定の立場が保証されるというご褒美がある。

リーダーの正当性と社員の居心地
 既存の秩序とは、年功序列であったり、閨閥であったり、学歴であったりする。歳が上だったり、エライ人の関係者だったり、高学歴だったりすると、他の人よりも有利に出世できる。だが出世したからといって、利益を総取りできるわけではない。出世できなかった人より少し条件がいいだけである。

 出世できなかった人にとっては、出世した人との待遇の差がそれほど大きくなければ我慢もできる。また学歴などで出世を決めてしまえば「オレは仕事はできるけど学歴が低いから出世できなかった」と納得することもできる。


 さらに学歴や閨閥で出世した人は、フェアな競争をしていないわけだからリーダーとしての正当性が薄い。このため、下の人にも気を使わなければならず、絶対的な権力者になることが難しい。
 こうすることによって、下の人の満足度を上げ、下克上を防止するとともに、上の人はラクしてリーダーに居座ることができる。皆がハッピーである。
 
 日本型のムラ社会はこのようにして全体のバランスを取っているのだ。

 もしこれが完全な競争社会ならば、老若男女関係なく、出世のために闘争を繰り返すことになる。首切りは日常茶飯事となるだろう。また、競争に勝ち抜いたリーダーは、競争に勝ったという「正当性」があるので何でもアリだ。部下に対してどんなにムチャな要求でも平気でするだろう。事実、競争が激しい米国の会社では、これに近い状態となっているところも多い。

参加する以上、ゲームのルールは受け入れるしかない
 日本人の多くは、このような競争社会になるくらいだったら、ある程度の不公平を受け入れた方がマシであると考えている。このため日本独特の秩序が生まれてくることになる。

 このムラ社会の秩序を維持するためには、個人的な主張はご法度である。このため日本型ムラ社会では、個性を犠牲にしなければならない。社畜というニュアンスが生まれる背景にはこのような仕組みがある。

 さて出世と社畜の関係だが、まず理解しておくべきなのは、日本の企業社会ゲームにおいては上記のようなムラ社会ルールが厳然と存在しているという事実である。それは良い悪いの問題ではなくそういうゲームなのだ。
 ゲームに参加する以上はそのルールを受け入れなければならない。どうしてもそのルールが嫌なら、起業するか、独立するなどして、ゲームに参加しないという方法を選択するしかない。

 もしゲームに参加したのなら、ゲームのルールに不満を言ってもはじまらないだろうし、そのルールを外部から揶揄されたところで気にすることではない。全身全霊、社畜にまい進すればよいのだ。
 社畜と揶揄されて敏感に反応しているということは、心理的にはその社畜状態から抜け出したいと思っている証拠である。だが、ルールについて疑問視しながらそのゲームを続けることほど非効率的なことはない(テニスのルールが嫌いなのにテニスをしても意味がない)し、ルールを受け入れなければ出世の可能性も限りなく小さくなるだろう。

 日本の会社というのは社畜集団なのである。そしてそこで出世する人は、例外なく自分のことを社畜だとは思っていない。それを病気と見るか、ポジティブと見るかは人それぞれである。

【参考記事】
反抗的な人も場合によっては出世できる
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

  関連記事

taimingu
部署の異動はタイミングがすべて

 企業を取り巻く状況は時代によって変化する。一方、組織というのはどちらかといえば …

Image4
ミスをすること自体には何の問題もないが・・

 人は誰でもミスをするものである。だがミスをした時の対応が悪いとそれはキャリアの …

ryokoujihi
出世できる人は自分への投資が上手い

 仕事で成果を上げる人は自分の投資に積極的といわれる。自分への投資というと、資格 …

FE024_L
出世するほど仕事が面白くなるのは本当か?

 出世すると会社の仕事が面白くなるといわれているが、それは本当である。特に管理職 …

nomikai1391
出世できる人は、酒席を戦略的に活用している

 お酒の席は無礼講とよくいわれるが、実際は違う。酒の席での発言で失敗したビジネス …

Image2
出世する人は決断を迫るのが上手い

 上司や顧客でなかなか決められない人は多い。すばやく決断ができる上司や顧客はむし …

Image2
出世したければオヤジ向けビジネス記事を読め(その1)

 オヤジ向けのビジネス誌には出世のための情報が満載だ。ネットで無料で読めるものも …

FE052_L001
相手の言葉の真意を理解せよ

 コミュニケーションは、相手が何を言いたいの理解することから始まる。相手の言葉を …

a0002_002133
書類の準備に手を抜かない人は出世できる

 会社では会議の書類や稟議書など多くの書類を取り扱う。これらの書類をそろえるのは …

a0055_000577
出世したければオヤジ向けビジネス記事を読め(その2)

 前回に引き続いて、オヤジ向けのビジネス誌から出世のヒントをつかむコツについて解 …