なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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知恵よりも知識が重要

 

 前回は東大話法について述べたが、今回もその延長線上の話題である。

 日本では知識偏重型教育の弊害について、かなり昔から指摘されている。しかし一向にそれが改善する気配はない。以前として日本では知識を問うペーパー試験が重要視されており、総合的な能力は評価の対象となっていない。

やっぱり日本社会では知識が大事
 これが何を意味しているかというと、日本人の総意としてやはり知識の方が大事ということである。知恵や総合力で人間を評価することには反対なのである。

 知識だけを問う教育システムや能力の評価体系が今日のグローバル社会、ネット社会においてマイナスであることはほぼ間違いない。だが、現実社会でそのようなことを主張しても始まらない。いくら日本の国際競争力について憂いたところで、今いる会社で出世できないのでは元も子もないからだ。

 日本社会で知識が絶対的に重要なのであれば、それがどんなに不毛なことであっても、知識の習得にまい進するのが合理的だ。そうしないとあなただけがバカを見るという話になってしまう。

 知識の量はキーワードの量で象徴される。日本社会では、とにかくたくさんのキーワードを知っている人が「頭のいい人」とみなされるのだ。特に日本人は舶来品に弱いので、外来語に言い換えた上でのキーワードの羅列は特に効果が高い。

キーワードをいくつ知っているかというゲーム
 いくつかの例をあげてみよう。

 最近の資本市場に関するニュースでは「リスクオン」「リスクオフ」というキーワードが氾濫している。皆したり顔で「このとろこはリスクオンのトレンドが続いており・・」などと解説している。

 なんのことはない、相場で攻めの姿勢(リスクを取る姿勢)のことをリスクに関するスイッチをオンにするということでリスクオンというらしい。「相場」や「流れ」といった古臭い日本語を使ってはダメだのだ。MBAの香りがしない。ここは涼しい顔で「リスクオン」だとか「トレンド」と言わなければならない。

 IT業界は以前から無意味なキーワードのオンパレードである。現在もっとも流行っているのは「クラウド・コンピューティング」である。
 ネットワークを使って分散したリソースを統合的に利用するような形態を指していると思われるが、この言葉の定義をきちんと説明できる人は、業界でもほとんどいないだろう。

 アウトソーシングという意味で使っている人もいるし、技術的なリソース分散という意味で使っている人もいる。アウトソーシングかどうかは、サービスの提供形態についての問題であり、リソース分散とは関係がなく、異なるパラダイムのキーワードである。だが、そのようなことを気にしていてはエリートにはなれない。

「要するに」や「つまり」は禁句
 一昔前にはキャッシュ・フロー経営というキーワードが氾濫した時期があった。

 会計で使われる損益計算書では現金の出入り(現金出納)と会計上の利益は一致しない。このため、損益計算書は現金の出入りを重視する経営者や投資家にとっては不便な面もある。そこで損益計算書から逆戻りしてキャッシュの出入りをより明確に見えるようにしたのが、キャッシュ・フロー計算書である。

 これは損益計算書から現金出納帳に近いものをわざわざ逆算して作ったものである。

 筆者はあるビジネスマンと話をしていて、キャッシュ・フロー経営の話になり、要するに現金出納重視ですね、といったら激しく怒られたことがある。キャッシュ・フローというカタカナのキーワードが大事らしい。

 もう少し俗人的な分野でいくと、女子サッカーの「なでしこらしい」という表現も同じようなものである。どんなプレーが「なでしこらしい」のかは分からないが、皆「なでしこらしい」プレーでしたねと言わなければならない。

 少し茶化して説明したが、キーワードそのものが大事であって、キーワードが意味しているものや、その論理、考え方については触れていはいけないのである。とにかくたくさんのキーワードを連発し、その知識の量を競うゲームなので「要するに」とか「つまり」といった、論理を問う言葉は発してはいけないのだ。

【参考記事】
演繹と帰納、出世するための思考回路とは?
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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