なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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演繹と帰納、出世するための思考回路とは?

 

 ビジネスで直面した課題を解決するために、ビジネスマンはいろいろと知恵を絞っている。いろいろと頭を巡らせているように思っていても、人間の思考回路は実はそれほど複雑なわけではない。

 人間の思考法は、大きく分けて2種類しかない。それは帰納法と演繹法だ。これを理解したことで直接出世が叶うわけではないが、それなりに役に立つことは間違いない。

帰納法と演繹法
 帰納法は、個々の事象から全体を推定していく方法である。

 帰納法ではこんな流れになる。1億円広告費をかけたら100個売れた→2億円広告費をかけたら200個売れた→広告費と販売個数は比例している。
 別な例をあげてみよう。営業の訪問回数が3回未満で成約した件数は10件→訪問回数が3回以上かけても成約した件数は3件→3回訪問して見込みがなかったら次を当たった方がよい、といった具合である。

 要するにデータを集めて法則性を導き出すというものである。これは日常的に意識せずにやっている人も多いのではないだろうか?

 これに対して演繹法とは、大きな前提から個別の事柄を推定していく考え方である。
 わかりやすい例をあげてみよう。日本は高齢化が進んでいる→だが高齢者向けの施設は少ない→高齢者向けの施設を建設すればお客さんが集まる、といった流れである。

 営業戦略の立案ならこうなる。今年はA商品の売上げを20%増加させたい→A商品の担当者を増員する必要がある→人員総数は増やせない→B商品の担当者をA商品に配置転換する、といった感じだ。

若いうちは帰納法をマスターすれば十分
 現場の仕事が中心となっている若い世代では、帰納法を使うケースが圧倒的に多い。

  マーケティング調査などはほとんどが帰納法の考え方で作成されている。データを集めて、一般的な法則を発見してそれを応用する。これがきちっと出来ていれば、たいがいの仕事はそれなりにうまくいくはずだ。

 営業に配属されて成績が思うように上がらないという人は少なくないのだが、その原因のほとんどが帰納法による現状分析ができていないか、分析結果をメンタルなレベルで拒否しているかのどちらかである。

 営業成績がよい人の行動パターンとダメな人のパターンを列挙して比較すれば、何が営業成績を向上させているのか分析することができる。結果は商品によって異なるのだが、訪問件数が多い人が結局いい数字を上げている、あるいは新規顧客の割合が高い人ほど全体の成績がよいなど、何らかのパターンが発見されるはずである。
  それを自分に応用すればある程度の成績は上げることができるはずだ。それでも成績が上がらない人は、その成功パターンを何らかの理由で拒否しているのだ(面倒くさいなど)。

 営業成績向上の方法はともかく、若いうちは帰納法を身につけていれば基本的にOKだ。だが管理職以上の立場になってくると状況が変わってくる。

管理職以上では演繹的思考回路が必須
 管理職以上になってくると、新しい戦略の立案や組織のオペレーションなど、より上位の仕事が増えてくる。大きな前提条件をもとに、個々の方策を決めていく作業が求められるのだ。

 こういう時には、演繹法が非常に役に立つ。それこそ社長クラスになれば、会社の新しい姿を描き、それに合わせて個々の事業を売却したり、リストラしたり、強化したりしなければならない。まさに演繹法のオンパレードである。

 だが帰納法の考え方だけに凝り固まっていると、まずデータ集めをしないと思考をスタートさせられなくなる。豊富なデータが揃っているのは、すでに確立した事業だけである。極論を言うと、帰納法では、誰もがわかっていることしか分析することはできない。新しい未知のことには対応できないのである。

 日本の年功序列社長に多いのだが、経営危機の最中に社長に就任したものの、新しい戦略をまったく描けない人がいる。ほとんどは、演繹的思考をトレーニングする機会がないまま社長になってしまった人である。
 また現場ではそこそこ優秀だったのに、管理職以上になると途端に仕事ができなくなる人も結構いるのだが、やはりこれも演繹的思考回路ができないことに主な原因がある。
 
 さらにベンチャー企業など、より革新的な事業を行うような場合には、帰納法はまったく役に立たない。若いうちから演繹的な思考回路には慣れておいた方がよい。
 若いうちは余計なことを考えず、自分の業務成績を上げることが大事だが、たまには自分の部署の売上げを50%増加させるためにはどんな方策が必要か、といった演繹的思考トレーニングにもトライしておいた方がよいだろう。

【参考記事】
上に行けば行くほどケツの穴は小さい
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
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