出世できないタイプの鉄板「社内評論家」
前回、出世できないタイプとして取り上げた「でもでも」君だが、これに引き続いて今回のタイプの強力である。
それは「社内評論家」だ。
まあ要するに、批評的なことを言うだけで実際には何もできない人なのだが、このタイプはダメだといわれているのに、常に一定数社内にいるという不思議な存在だ。
社内評論家タイプの典型的なやり取りは以下のようなものだ。
上司 「C君。新しいプランが営業サイドから来ているのだが、君はどう思う?」
社内評論家C 「そうですね 新規開拓率を高く維持できるかどうかですね」
お分かりだろうか?上司は新しいプランについてどう思うのか意見を求めている。だが、Cさんの回答は新しいプランがうまくいくカギはどこにあるのか?ということに終始している。
以外と多い自覚のない社内評論家
上司にしてみればこう思うだろう。
「新規開拓率を高く維持できればうまくいくことぐらい誰でも分かってるさ!」
「新規開拓率が維持できるのかどうか見解を聞きたいんだよ!」
「どこが成功のポイントとなるのか、この俺に説教するってのか?」
ということになってしまう。温厚な人なら口には出して言わないが、「コイツは使えないヤツだな」ということになってしまう。
社内評論家タイプは常にどこか他人事で、自分は少し高い位置にいるようなつもりになっている。主体性がないわけだから、仕事にも積極的に取り組むわけもない。社内の評価も当然、それを反映したものになる。
もし本人が「俺は他のヤツとは違うぜ!」と勝手に思っていて、評論家口調になっていることに自覚があれば、その人の性格はともかくとして、話は単純である。
だが問題なのは、本人が自覚なしに評論家口調になっているというパターンである。実はこれが非常に多いのだ。
自覚のない社内評論家タイプは、基本的に自分への自信のなさがその原因になっている。さきほど営業プランの例では、うまくいくかどうかについて意見を言う自信がなく、かといって何も言わないとマズいというところから、評論家的なコメントでお茶を濁すということになる。
確かに日本の会社では、周りの雰囲気を確かめずに意見を言うことは危険だ。いわゆる「空気を読む」というヤツだ。だが、意見を求められているときに、評論家口調でばかり答えていたのでは、相手から信頼されなくなってしまう。
相手が望むものを提供するのが出世の大原則
では、このような場面ではどうすればよいのだろうか?30代で上場企業の役員にまで昇進したW氏のアドバイスは具体的だ。
「とにかく誤魔化すのは絶対ダメです」
「周囲から見ると誤魔化しているなというのはよく分かるものです」
「もし問われた質問にきちんと答える自信がなければ、まず正直に言うべきです」
「その上で、すぐ調べてお答えしますとか、次の対応を説明すれば相手も納得します」
例の営業プランの例では、Wさんならこう対応するという。
上司「C君。新しいプランが営業サイドから来ているのだが、君はどう思う?」
W氏「はい。新規開拓率がカギだと思うのですが、それについては少しだけ時間をください」
上司「分かった。じゃあ後で意見を聞かせて!」
W氏「分かりました。10分後にまた来ますがいいでしょうか?」
W氏もその場でちゃんとした回答をしていない点ではCさんと同じだが、今答えられないと正直に説明している。上司がCさんやWさんに見解を聞いたということは、誰かに聞かれるかもしれないので、答を用意しておきたいのだと考えられる。
そうなると、いつ部下から回答をもらえるのか分からないと上司は不安だ。別のヤツに聞いておこうと思うかもしれない。W氏はそこを見越していつ報告するのかも付け加えている。
W氏は上司にとって使える部下として認識されるだろう。
【関連サイト】
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「放射能から身を守る食品サイト」
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