なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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敵を作らないことは成果を上げることより重要

 

 人間は喜びの感情はすぐ忘れるが、怨みの感情はなかなか解消しないという。社内で一旦敵を作ってしまうとその後の対応は極めて難しい。
 敵を作らないことは、成果を上げることよりもずっと簡単な出世の方法でもある。

トップセールスマンの奢り
 広告代理店に勤務するFさんは、営業部門のトップセールスマンである。クライアントへの営業力がすべての広告代理店において営業は花形部署である。

 Fさんが在籍している会社には、全体の営業状況を管理する営業企画部門という部署があった。その部署は、各営業部から報告書を集め、整理して会社の役員会に向けて営業進捗資料を作成するのが主な仕事であった。

 各営業部は毎月進捗状況を所定のファイルに記載して営業企画部に送らなければならない。Fさんは常々その仕事がイヤであった。「こんな報告書を書いているヒマがあるのなら、得意先の担当者と会って話がしたい」といつも思っていたのである。

 あるときFさんはクライアントからの発注が相次ぎ、顧客対応に追われていた。どうしても月末の報告書が間に合わず、週明けにテキトーに書いて提出した。
 その後、Fさんの営業は順調に展開し、次の月末にはさらに忙しい状況となった。Fさんはまたしても報告書の提出が遅れた。

 営業企画「Fさん。この資料がないと役員会の資料が作れないので何とかお願いします」
 Fさん「分かってますけど、ホントに忙しいんです」
 営業企画「とはいえ、役員会の資料なんで穴を空ける訳には」
 Fさん「もうちょっと待ってくださいよ」
     「営業マンあっての会社でしょ!」
 営業企画「分かりました・・・」

管理部門の報復
 週が明けて役員会が開催された。役員会が終わった後にFさんの部署の担当役員が血相を変えて戻ってきた。Fさんの上司である課長が呼び出されている。課長はその後いくつか電話をしたあと、Fさんを呼び出した。

 課長「役員会の資料にウチの部署の数字が入ってなかったそうだ」
 Fさん「営業企画が悪いんです。僕はちゃんと出しましたよ」
 課長「営業企画は数字が入っていなかったと言っている」
 Fさん「そんなはずありません」「あいつらふざけやがって」
 課長「Fっ!まだ分からないのか?」
 Fさん「????」

 Fさんは営業企画に仕返しされたのである。営業企画の課長はFさんの上司からの電話に、白々しく「何度も言ったのですが提出していただけなくて」と説明したそうである。完全な確信犯だ。

 役員会では「なぜ数字がないんだ?」との質問も出たが、いつも資料を完全に作る営業企画が数字を出してこないということはよほどのことだと考え、営業企画部の言うことを信じたらしい。
 というよりも、わかっていても触らぬ神に祟りなし、気が付いた人もいただろうが何も言わなかったのである。

敵を作らないことは成果を上げることより重要
 Fさんは怒りに震えたが、課長といっしょに営業企画に行って提出の不備を謝った。営業企画課長は勝ち誇ったような顔をしていた。

 かなり不条理な話ではあるが、これが組織の現実でもある。

 Fさんは自分が営業部で会社の屋台骨を支えているという自負があり、それはあながち間違っていない。だが事務手続きをする部署の人にとってはそれがすべてである。Fさんは鼻持ちならないヤツに見えたのである。

 Fさんはまだ若いから今後の振る舞いで挽回が可能である。だが、中間管理職なるあたりからはそれができなくなる。成績を上げるのはある意味で簡単だが、一度付いてしまったマイナスの印象をプラスにすることは難しい。出世においては敵を作らないことはとても重要なことである。

【参考記事】
上に行けば行くほどケツの穴は小さいと思え
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
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