なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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反抗的な人も場合によっては出世できる

 

 会社の方針に反抗的な人は普通は出世できない。だが日本の会社は独特なムラ社会であることから、一部ではあるが反抗的な人でも出世できる可能性がある。

 「外資系で出世する人」の記事でも書いたが、日本以外の会社では、上司の言うことは絶対である。というより会社の方針は経営陣が決め、従業員はその決定に従う義務がある。なんとなく全体の雰囲気でものごとを決めるということは普通ありえない。

 だが日本の会社では、意思決定のかなりの部分が場の「空気」に左右される。上司や社長といえども、絶対的な権限を持っているわけではなく、全体の雰囲気を察しながら指示を出していかなければならない。そのような組織では、会社の方針に反抗的な人も一定の役割を果たす可能性がある。場合によってはそれが出世の糸口になることもある。

会社が推奨しないものばかり売った営業マン
 野村證券の元副社長でゲーム機メーカー「セガ」(現在は合併してセガサミー)の会長をつとめた福島吉治氏は会社の方針に反抗して出世した人だ。

ストッパー役

 野村證券はモーレツ営業で有名だった会社で、軍隊のような組織である。上からの命令は絶対で逆らうことは許されない雰囲気だ。

 同社の主力商品は当然「株式」で、毎日営業ノルマが課されてヘトヘトになるまで売りまくらなければならない。

 ところが福島氏は会社の命令はお構いなしで「公社債」ばかり売って歩いている。お客さんの中には、より安全な商品である公社債を望む人もいる。自分はそのニーズに応えるというわけだ。

 当然だが、このような社員は目をつけられる。反抗的な態度ということでブラックリストに載ってしまったのだ。だが福島氏はこれがきっかけで大出世をすることになる。野村證券はイケイケドンドンの会社なのでしょっちゅう不祥事を起こす。上層部はストッパー役が社内に必要と考え、福島氏に別な意味で目をつけたのだ。その後福島氏はトントン拍子で出世し、副社長にまでなった。

 もっとも、福島氏が会社に反抗して公社債ばかり売っていたといっても、公社債の販売成績ではダントツのトップだったというから、やはり抜擢も抜群の営業成績があってこそである。だが社の方針に反発していたにも関わらず出世したという意味では面白い例といえるだろう。

 だが福島氏のケースは特別だと思った方がよい。社の方針に反対する人の多くは組織に利用されて終わることが多い。

社内でガス抜きの役割を果たす人
 日本社会はルールが不透明な分、組織内に不満が高まりやすい。不満をうまく解消するための捌け口が必要となる。「いわゆるガス抜き」というヤツである。

反抗するっきゃない!

 かつての自民党一党独裁時代には、社会党が常のその役割を果たしてきた。とりあえず反対するポーズをとって国民の不満を解消する。だが実際には本気で反対する気はない。組織の中でもそのような役割を担っている人がいるものである(本人は意識していないかもしれないが)。

 会社の方針や上司の指示には当初反対するものの、最終的には従う人である。このタイプの人は、組織内の不満をうまく吸収し、最終的に全員を組織の方向性に従わせることに大きく貢献している。だが本人は自分は「社の方針に反抗する一匹狼」と思っており、その姿に酔ったりもしている。

 多少頭の切れる上司であれば、そのようなタイプの社員をうまく配置し、部下の不満を吸収するよう工作する人もいる。ちなみにかつての労働組合と会社側はこのような関係であった。反対するポーズを見せて社員を納得させ、組合の幹部には一定の昇進を約束するという暗黙の了解があった。

反抗的なポーズは会社に利用されるだけ
 このようなタイプの人は、社の方針に最終的には従うので、低く評価されることはないだろうが、大きく出世できるかというと難しい。社会党はしょせん社会党であることを忘れてはいけない。

 ということで、会社の方針に反抗することは基本的にやめた方がよい。

 もしそれが「自分は一匹狼でカッコイイゼ」と思ってのことなら、会社に利用されるだけなので改めた方が得策である。
 逆に本心から会社の方針に従えないのであれば、転職するなり起業するなりして、自分の方針を行かせる場を見つけた方がよい。

 さらにこれが外資系になると完全に命取りである。社の方針や上司の支持にイエスといえないのは、それだけで十分に解雇の理由となってしまので要注意だ。

【参考記事】
上に行けばいくほどケツの穴は小さいと思え
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
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