なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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カルビーCEOから学ぶ組織のマネジメント

 

 最近、菓子メーカーのカルビーの経営がメディアに取り上げられるケースが増えている。同社の好業績は、外部からCEO(最高経営責任者)に招聘された松本晃氏の経営手腕によるところが大きい。松本氏の考え方は、マネジメントのあり方を考える上で非常に参考になる。出世を目指す人には必須といえるだろう。

話はできるだけシンプルに
 松本氏は、もともと総合商社出身で外資系企業のジョンソン・エンド・ジョンソンのトップを務めたエリートである。だが松本氏は、ひょうひょうとした雰囲気でその外見からはエリート臭はほとんど感じられない。経営に対する姿勢も同じで、話が分かりやすくシンプルだ。しかし松本氏は徹底した合理主義者でもある。

 外部からカルビーのトップに就任した松本氏がまず最初に行ったのは業績低迷の原因分析である。多くの人は、物事がうまくいかないと人のせいにしがちである。組織をマジメントできない人ほどその傾向が強いのだが、松本氏は、徹底して原因を人に求めてはいけないと主張している。

 業績低迷の原因は人ではなく仕組みにあるということを大前提にその原因を探る。そして、業績回復の処方箋はシンプルに考えるのポイントだという。

 松本氏によると、経営というのはそれほど難しいものではなく、品質、コスト、供給をしっかりやれば利益を出せるという。経営するにあたってチェックする指標も少ない。多すぎるとすべてを見ることができず、知恵が出てこないからだ。

 これはあらゆる業界に共通の考え方といってよいだろう。人はとかく物事を複雑にしたがる動物だが、これが落とし穴になる。難しいことを考えると、いろいろ努力した気分になるが、本質的な解決できるかどうかは別問題である。

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組織での上下は全人格的上下ではない
 組織をマネジメントしようとする人は、今、自分がやろうとしていることを30秒で、しかも小学生にも説明できるようでなければダメだ。話をシンプルに伝えられない場合、自分自身の理解が不十分であることを疑った方がよい。

 松本氏は、身分と責任の混同についても指摘している。本来、組織における役職というのは機能でしかない。社長が社員に指示するのは、部下に指示する権限を組織から与えられているからである。しかし、日本の会社組織はムラ社会になっており、役職の違いは身分の違いと認識されることが多い。

 これが責任の範囲を曖昧にし、稼ぐための仕組みを邪魔している。機能としての役職は、全人格的な上下関係にはならないが、指示は絶対である。一方、全人格的な上下関係には正当性がなく、その分だけ、下の人間には一定のわがままが許されている。

 日本のようなムラ社会の組織では不条理がまかり通っているが、下の人間が上に不満を漏らすことも一定程度までなら許容される。グローバル企業では、全人格的上下関係はないが、指示を受ける人間が、指示された内容に意見することは許されない。

 現代企業として、どちらがよいのかは考えるまでもない。人が徹底して機能として動ける組織が最終的には大きな成果を上げることになる。

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