なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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出世できる人は常に生産性とポートフォリオを考える

 

 このところ日本企業における残業時間が社会問題になっている。残業問題は社風といったメンタルな部分で語られることが多いが、現実には生産性というもっと切実な問題から発生している。出世できる人は、生産性の考え方が身に付いており、これが昇進してから大いに役立つことになる。

日本企業において残業がなくならない本当の理由
 日本企業の生産性は諸外国と比べてかなり低いことで知られている。日本のサービス産業はここ20年売上高が横ばいだが、従業員の数は大幅に増えている。つまり日本企業の生産性は年々低下していることになる。

 同じ売上高で人数が減っているのだから、1人あたりの労働時間が少なくなっていても良さそうだが、日本人の残業時間もこれまた増加傾向となっている。つまり仕事の効率が悪くなっているのだ。

 長時間残業を減らすためには生産性を上げることが重要といわれる。生産性は簡単に言えば、売上高を総労働時間で割ったものである。世の中では生産性を上げてムダな残業を減らそうと、ノー残業デーを設定したり、朝型に変えるといった試みが行われているが、あまりうまくいっていない。

 これらの取組みはなぜうまくいかないのだろうか。その理由は、生産性の式における分母にしか着目していないからである。生産性を大きく向上させるためには、分母をいじっているだけではダメなのだ。分子、つまり売上高を伸ばさないと生産性は上がらない。

 時間を減らすことは、見かけ上、簡単そうなので、ついそちらに行きがちなのだが、それでは効果は上がらない。生産性を上げて、残業時間を減らすには、付加価値の高い商品やサービスを売ることがもっとも重要である。

zangyojikan

ポートフォリオの発想ができる人が出世する
 会社というのは稼いでナンボの世界である。出世できる人は常に「稼ぎ」という認識がある。どれだけ努力をして、長時間働いたとしても、稼ぎが大きくなければ何の意味もない。多くの日本企業がこの努力をしないので、結局は残業も減らないのだ。

 同じ営業の仕事をする場合でも、全体の稼ぎを大きくするという発想があれば、案件のポートフォリオは大きく変わってくる。多少リスクが高いが大きな数字が得られる案件と、手間はかかるが小さい数字は着実に得られる案件、さらには手間もかかって数字が得られない案件など様々なパターンに分かれる。

 こうした案件ポートフォリオをしっかりと構築し、それに合わせて営業活動を行う人とそうでない人では、稼ぎの額が大きく変わってくる。
 出世してチームを率いるリーダーに求められているのは、まさにこうしたポートフォリオを構築し、それをマネジメントする能力である。個別の案件を獲得することの上手下手ではない。

 ヒラ社員であれば、自分自身の仕事配分でのポートフォリオになるし、課長であれば課員ポートフォリオになる。部長であればそれは部内のポートフォリオに拡大するが基本は同じだ。人やチームをリソースと捉え、徹底的にポートフォリオとして収益を最大化できる人が、組織の運営には向いている。

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