なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

人は何で動くのか

 

 組織の中で成果を上げるためには人をうまく動かさなければならない。出世できる人は、人は組織の中でどのようなメカニズムで動くのか理解している。

本来なら人事と予算で組織は動く
 現代の会社組織は本来は合理的に形づくられており、論理的に意思決定が行われることになっている。組織のトップに立つ人は、組織全体の利益が最大化するように意思決定を行い、各部門の責任者は最終的にその決定に従わなければならない。経営トップの決定は、最終的には業績という形で検証されることになる。

 こうした合理的組織の場合、メンバーが組織の指示に従うのは、自主的なものとなる。組織の仕組みを理解し、指示に従うことが全体の利益を最大化すると考え、積極的に規律を重んじるという仕組みである。ただ現実にはこうしたきれいごとだけでは組織は回らない。

 中には個人的な利益の拡大のために指示に従わない人が出てくる可能性がある。こうした状況に対処するため、ほとんどの組織では、各階層の上司に対して、人事と予算の権限を与えている。カネと人を握ることで、組織の構成員を統率するという仕組みである。

 指示に従わないと必要な予算が得られず業務が滞ることになる。また、不本意な人事や最悪の場合には解雇のリスクもあるということになると、ほとんどの人は指示を受け入れる。多くの組織が、人事権と予算を軸に統治が行われているのは、こうした理由からである。

kenishugi

権威がないと動かない組織というのも現実には存在する
 したがって組織のリーダーとして権限を振るうには、人事と予算を効果的に割り振るのがよいということになる。合理的な組織におけるマネジメントにはこうしたスキルが求められる。

 だがすべての組織がこうした合理主義で動いているわけではない。中には前近代的、ムラ社会的なメカニズムで統治が行われているところもある。こうした組織では、ルールに基づく権限よりも権威を持っていることがリーダーシップの源泉になる場合がある。

 これが暴力的な形で顕在化したのが、いわゆるブラック企業ということになるわけだが、そこまでひどくなくても、合理的な権限によらず組織が動いているというケースは意外と多い。

 このような組織でリーダーシップを発揮するためには、ちょっとした工夫が必要となる。自分よりさらに上の立場にいる権威ある人物の威光を使ったり、大きな声を出して威圧的に振る舞うなど、原始的・動物的なテクニックがモノを言う。

 組織の中で出世しようということであれば、その組織がどのようなメカニズムで動いているのかについては熟知していなければならない。統治の仕組みを知ることは組織を率いる基本である。

  関連記事

GD080_L
誰にでも平等に接した方がよいのか?

 誰に対しても分け隔てなく平等に接するべきとうのは一般によく言われていることであ …

a0002_008551
とにかく嫌な顔はするな

 無愛想や無表情はコミュニケーションという観点から非常にマイナスだが、感情がオモ …

tech
人を機能として理解する能力

 出世できる人が持っている能力のひとつに「人を機能として理解する」というものがあ …

asipipparu741
あたなの足を引っ張る人は誰か?

 出世の妨げになるのは、自分の競争相手だと思っている人は多い。だが現実にはそうで …

wakariyasui5556
出世できる人の話し方には共通項がある

 出世できる人の話し方には一定の共通項がある。逆に言えば、これを真似すれば、あた …

menomae3211
ライバルは目の前にいない可能性が高い

 会社の中には、自分のライバルになる社員がいる。だが今、目の前にいて、成果を競っ …

miryoku6801
自分の魅力を知る必要性

 本コラムでは何度も指摘していることだが、出世に結びつく人脈作りのコツは、自分を …

ER074_L
知恵よりも知識が重要

 前回は東大話法について述べたが、今回もその延長線上の話題である。  日本では知 …

burando401
出世できる人は自己のブランディングがうまい

 自己ブランディングという言葉がある。企業におけるブランディングと同様に、自分自 …

a0002_007987
仕事は押し付けるか捨てるかしかない

 会社の中は、いつも仕事を抱えていて忙しいそうにしている人と、余計な仕事はせずに …