なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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出世できる人は自分への投資が上手い

 

 仕事で成果を上げる人は自分の投資に積極的といわれる。自分への投資というと、資格を取ったり、語学を勉強するといったイメージが浮かぶが、自分への投資はそれだけではない。出世できる人は、もっと大きな視点で自分への投資を行っている。

自費で視察旅行に行った若手社員
 あるメーカーの若手社員だったG氏は、会社が今後、本格的に米国進出を強化するという方針を打ち出したことをきっかけに、個人的に米国へ視察旅行に行った。

 彼が勤めている会社にはリフレッシュ休暇という制度があり、ある条件を満たすと、比較的長い休みを取ることができた。多くの人が、リゾート地に遊びに行ったり、家でゴロゴロしている中、彼は旅行がてら、自分の費用で米国進出時に重要拠点となる都市を訪問したのである。

 当然だが、そんなことをしたからといって、仕事の成果になるわけではなく、米国のプロジェクトの担当に選抜されるというわけでもない。だが彼は、そうした現実的な利益というよりも、今後、自分の会社の主戦場となる場所をこの目で見ておきたかったという理由で旅行に行ったのである。

 ちなみにG氏はその後課長に昇進してからメキメキと成果を上げ、同期の中では部長に一番乗りする可能性が高いといわれるまでになった。彼が出世できた理由はいろいろあるだろうが、視察旅行に行くという彼の積極的なマインドが大きく影響した可能性は高い。

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経営的なセンスを養うための投資
 彼の行動には、使われる側の人間ではなく、人を使う側のマインドが満ちあふれている。自費で視察旅行に行ったところで、直接的な利益は何もない。考えようによっては、ムダに旅行費用を使ってしまうだけである。だが、一般的にはムダに思えることに対して、あえて支出するところに意味がある。

 彼には、目の前のお金がムダかどうかよりも、もっと大きな視点がある。とりあえず自分が挑戦したいと思う世界をこの目で見てみたいという発想は、サラリーマンというよりも、事業を立ち上げる起業家に近い。こうした俯瞰的な思考回路が、管理職に昇進してから役に立ったと考えられる。

 管理職以上になってくると、評価の基準は大きく変わってくる。言われた仕事を的確にこなしているだけでは、凡庸な評価しか得られない。時には目の前の利益を失っても、もっと大きな利益を取るといった経営者的なセンスも時には必要となってくる。

 こうした意識改革は、実は想像するよりもずっと難しい。彼は支出を躊躇するお金を、視察に投じるという行為によってこうしたパラダイムシフトを自らに課していたのである。結果的には、これが効果の高い、自分への投資ということになった。

 経験を積むための支出や、マインドを得るための支出も、うまく行えば立派な自己投資である。自己投資というと資格ぐらいしか思い浮かばない人は、もっと柔軟に考えた方がよいだろう。

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