なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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出世できる人が、人の心理を最優先するのはコスト面で有利だから

 

 組織は結局のところ、人のコミュニケーションの集大成である。組織の中で有利に振る舞うためには、他人の心理を熟知していなければならない。出世というものは、心理の理解度合いを試すゲームということになる。

環境をもとに戻しても生産は元に戻らない
 仕事の効率は、一般的に生理的な労働条件に大きく依存すると考えられている。一定時間ごとに休憩を取ったり、過重な労働にならないようにするといった考慮があると、そこで働く人の生産性は向上する。
 しかし、人間とは不思議なもので、こうした外部環境だけで仕事の効率が決まるわけではない。

 これは比較的単調な仕事でも同じである。一定時間ごとに休憩を取っていたチームから、休憩を取り上げると、当然のことながら、そのチームの生産性は低下する。
 しかし、生産性が低下した後、再び休憩を与えるようにした場合、生産性が元に戻るのかというとそうはならないのである。

 これまでに行われた実験によると、しばらくの間、低い生産性が続き、チーム同士の話し合いの場を増やすことでようやく生産性が向上したのである。

 しばらく生産性が低い状態が続いたのは、休憩がなくなるという労働環境の悪化に対する反発など心理的な面が大きく影響したからである。一旦、精神的にマイナス状態になってしまうと、物理的な環境を改善してもすぐには結果が出なかったのである。

 つまり、状況を悪化させるのは簡単だが、それを回復させるのは容易ではないということが分かる。したがって、労働環境について気を配ることは、最終的には大きなコストダウンにつながるのである。

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最終的には心理が大きく影響する
 この話は、組織での仕事のすべてに応用することができる。上司との関係、部下との関係、同僚との関係など、社内の関係性やそこでの仕事の進め方について、状況を悪化させるのは、いとも簡単である。ちょっとしたきっかけがあれば、すぐに状況が悪くなる。

 一方、悪くなった状況を元通りに戻すのはそう容易なことではない。心理的な面が邪魔して、物理的な環境の改善を受け付けないのである。

 対人コミュニケーションにおいては、状況が悪くなってからそれをリカバーするのは非常に効率が悪い。少々面倒であっても、常に状況が悪化しないように気を配ることの方が圧倒的にコスト効率が高いのである。

 出世できる人はこのことを熟知している。このため多少面倒であっても、対人関係のメンテナンスに時間を割く。最終的にはその方が、ロスとなる時間が少なく、本来の仕事のために時間を確保できるのである。

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