なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

出世したければ、なりたい自分になってはいけない

 

 経営の世界では、マーケティングとブランディングの違いがよく議論の対象となる。マーケティングとは、製品やサービスの立ち位置を決定し、それにふさわしい売り方を考えていく一連の施策のことを指している。マーケティングの結果として、各種の宣伝活動も実施されていくのが普通だ。

マーケティングとブランディングは違う
 マーケティングというものは「ウチの商品にはこのような特徴がありますよ」と相手に知ってもらう活動であり、あくまで主体は自社にある。顧客はマーケティングの対象者という扱いである。

 一方、ブランディングの主体はあくまで顧客ということになる。
 
 「アップルの製品はセンスがいい」というのは、顧客が持つイメージであり、アップルが宣伝するものではない。もちろん企業側は、企業がの望むイメージを持ってもらえるよう、多くの働きかけを行うことになるが、あくまでも決定権は顧客側にあるという点が大事だ。

 この点を勘違いしてしまうとブランディングはうまくいかない。ブランド・イメージというのは、顧客側に憧れとしての願望があり、その潜在的な意識に合致するように、製品や企業のイメージを形作っていくことが重要となる。ブランディングで失敗する原因のほとんどは、逆のアプローチを採用してしまうことである。

 企業側が勝手に、自社のブランド・イメージを決めつけてしまい、それを広告などで周知徹底させようとしてしまう。顧客の側に潜在的な欲求がないものに対していくら宣伝を行っても、顧客が乗ってこないことは明らかである。

gatengaiku

自分ではそう思っていなくてもブランドになっているかもしれない
 出世にもブランディングの感覚が求められるが、出世における自己ブランディングについてもまったく同じことが言える。周囲が思っている人物像と自分がなりたい人物像が同じとは限らないからである。

 自分ではコミュニケーション能力が高いと思っていて、それを自分ブランドにしようと思ったとしても、社内の人にその意識がなければ、その試みは完全に空回りしてしまう。

 逆に、自分では、あまりそうなりたくないと思っていても、相手から見ればそれが得意と認識されていて、うまく演出すれば、自分のブランドになるというケースもある。その場合には、拒絶することなく、相手が求めるイメージを作った方が有利かもしれない。

 周囲に対する気遣いが得意と思われている社員がいると仮定しよう。本人は、気を遣うことはあまり楽しいこととは考えていない。しかし、気遣いが得意というのは、周囲が決めることであり、本人の意図はほとんど関係がない。ここが重要なポイントとなる。

 本人があまり認識していなくても、周囲がそう認識しているのであれば、それはブランディングにおける大きなチャンスといえる。この人は気遣いが得意だと周囲の人が認識していた場合、適切なタイミングで気遣いができれば、「やっぱりこの人は気遣いのレベルが違う」といって、そのイメージを何倍にも増幅させることができるのだ。

  関連記事

sangyou
スパイの技術を出世に応用する②

 スパイの世界には産業スパイという分野があり、企業の情報を盗み出すという工作は幅 …

PHM11_0151
出世したいなら情報は出し惜しみするな

 組織が大きくなればなるほど情報の重要性が高まってくる。人事異動の前には、ガセネ …

PHM11_0254
脅しが効く相手と効かない相手

 あまり望ましいことではないが、出世するためには、敵対する相手と交渉しなければな …

suimin001
夜眠くなる人は出世しやすい

 出世する人はパワフルに活動し徹夜など平気。そんなイメージがあるが実際はそうでも …

a0002_001261
出世する人の目標設定は具体的

 仕事がうまくいく人は目標を立てるのが上手いといわれる。確かにその通りである。漫 …

a0002_005803
会社の中で有名になれ

 会社で出世できるかどうかは、多くの場合、直属の上司にかかっている。だが部署を横 …

EV096_L
出世しやすいポジションというのはあるのか?

 出世するための条件として重要なのはどんなことだろうか?仕事ができること、上司か …

soudan3571
出世すると時間の使い方が変わる

 出世して役職が上がっていくと、時間の使い方が大きく変わってくる。こうした変化を …

zangyou335
残業代ゼロ政策をどう考えるか

 労働時間に関わらず賃金を一定にするという、いわゆる残業代ゼロ政策が話題となって …

zennaku9788
出世できる人は正しいか正しくないかを論点にしない

 仕事をしていく上では、意見の対立だったり、相手との交渉を避けて通ることはできな …