なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

出世できる人は上司に手柄を独り占めさせる

 

 上司が自分の手柄を独り占めするという不満は多い。確かにあまり面白いことではないが、出世できるビジネス・パーソンはまったく別のことを考えている。あえて上司に手柄を渡しているのだ。

若手のプランをさも自分のアイデアのようにプレゼン
 あるメーカーでは、定期的に、新製品について議論する会議がある。会議の結果は、部長に上げられ、部長が決済すれば、試験的に取り扱いが始まる。

 若手にとっては、新しいプランを出すチャンスだが、新商品を次々と提案するのもラクではく、会議にはそれなりの労力を使っていた。ある課では、課長があまりにもネガティブで、若手の提案に対して、常に「うまくいくのか?」といった感じでダメ出しばかりであった。

 ところが、ある時、若手が企画した製品企画を部長が気に入り、社長決裁が降りて、たちまち本格的な展開が決まった。すると課長の態度は豹変し、部長には「私がじっくり準備してきたプランです」などとアピールし始めたのだ。部長の前ではアイデアを出した若手のことはおくびにも出していないようだった。

 この様子を見た若手はふてくされていたが、隣の課に在席している出世候補といわれる先輩からは「それは違う」と諭された。確かに自分の考えた企画が、上司の手柄のようにされることは感情的には面白くないかもしれない。しかし、こうした状況はむしろ本人の出世にとっては悪くない話だという先輩は言う。

jousitegara

上司に手柄を立てさせれば自然と出世はついてくる
 会社組織というのは常に上下関係で成り立っている。その中でもっとも重要なのは、直接やり取りする上司と部下ということになる。

 ヒラ社員から見れば課長との関係が、課長から見れば部長との関係が最も重要であり、逆にいうと、部長は課長のことしか見ていまないことがほとんどである。課員がどのような働きをしているのかは部長には直接関係がないからである。
 
 課員の仕事は、課長の成果が上がるように全力を尽くすことであり、その上の上司に自分の実績をアピールすることではないのだ。しかも大抵のケースにおいて、その上の部長は、アイデアを出した人が課長でないことはよく分かっている。それでも、あえてそれを追求せず、課長の評価にしているのである。

 つまり課長というのもは管理職であり、課としてどれだけ成果を上げたかが問われる立場である。極論をいうと、課の誰が功労者なのかは関係ないのである。組織というのものは常にそうしたメカニズムで動いていく。

 今回のケースにおいて、課長がどれだけその若手を評価し、後の昇進を手助けしてくれるのかは分からない。しかし、こうした形で、上司に対して継続的に手柄をプレゼントできている部下は、確実に上司からの評価が上がっていく。最終的には、それは昇進という形で評価されてくるはずである。

 特に若手のうちは、自分の実績ということはあまり気にせず、上司が手柄を立て、上司ができるだけ早く昇進できるようサポートする方が得策だ。

  関連記事

FE170_L
会社から出ても出世する人

 会社から出ることになっても会社との良好な関係が続いて、結果的にその会社で出世す …

a1180_005319
MBAにまつわる大きな誤解

 一時期ほどではないが、MBA(経営学修士)取得を希望する人は少なくない。中には …

a0001_016895
自分の給料は妥当な額か?

 出世の第一のバロメータは昇進によって上がっていく役職だろう。だが、毎月もらう給 …

a0001_009257
身だしなみは出世に大きく影響する

 職場での身だしなみは出世において極めて重要である。身だしなみといってもブランド …

FE117_L
総合力は評価されにくい

 「○×すべき」というべき論が出てきた時は要注意だ。学歴にとらわれず採用すべきだ …

ED181_L
無意味な事務手続きを甘く見るな

 会社の組織は膨大な実務手続きの集合体で出来ている。組織が大きくなってくると、事 …

setumei7410
出世できる人は、仕事のコツを人に説明できる

 仕事ができる人には2種類のタイプがある。ひとつは自分がなぜ仕事ができるのかよく …

a0002_010614
世代間でコミュニケーションギャップがあることは出世のチャンスだ

 最近、スマホ世代の若者とバブル世代上司で、うまくコミュニケーションが取れないと …

a0003_001872
出世の糸口はボトルネックにあり

 出世するための最良の方法は、自分が務める会社の出世ルールを的確に理解し、出世し …

kanpai001
飲みニケーションは必要か?

 最近ではだいぶ少なくなったが、それでも会社での飲み会はそれなりの頻度で存在する …