なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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取締役と執行役員の違いを知らないと出世できない?

 

 最近では執行役員という肩書きは普通になってきたので、あまり意識することはなくなっているかもしれないが、執行役員と取締役の違いについて正確に理解できているかどうかは、実は会社の仕組みについてどれだけ理解しているのかのバロメータでもある。

経営することと執行することは違う
 出世できる人は、両者の違いを正確に理解している!と言いたいところだが、実際はそうでもない。日本の上場企業の中には、取締役と執行役員の違いをよく理解出来ていないところも多い。
 しかし、最近ではコーポレートガバナンスを確立することは企業の重要な課題であるとの認識が高まってきている。もし出世を意識している人なら、絶対に理解しておいた方がよい。

 株式会社は会社を経営すると人と、職務を執行する人を分離することが原則となっている。多くの人は、会社を経営することと、日々の職務を遂行することを混同しているが両者は異なる。

 経営者(取締役)の仕事は、会社の所有者である株主の意向を受け、会社全体をどのような方向に進めていくのか決定することである。したがって、経営者は内部からの昇格者である必要はまったくなく、グローバル企業によく見られるように、取締役のほとんどが外部の人で占められていても問題ないし、むしろ経営者が保身に走らないので、その方がよいとすら見なされている。

 一方、執行役は、取締役会での決定を受け、その職務を実際に遂行する人たちである。執行役の人は、常に会社に在籍し、日々の業務をこなしていく。執行役のトップに立つ人のことをCEO(最高経営責任者)と呼ぶ。

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CEOはあくまで執行のトップという意味
 ガバナンスがしっかりしている会社では、社内から取締役として経営に参画するのは、CEOただ一人ということも多い。CEOは取締役の一人として経営にも参画するが、一方で取締役会で決まったことを着実に実行する執行役のトップでもある。CEOの権限が社内で絶対なのは、取締役会から執行業務を一任されているからである。

 日本では経営と執行が混同されており、執行する人のことを経営者と呼んだりしているので、状況が分かりにくくなっている。簡単に言ってしまえば、CEOは執行役としてみれば従業員のトップでしかなく、役員と呼ばれるのは、経営者(つまり取締役)になっているからである。

 経営者は、株主のことを考え、会社全体の利益を最大化することが仕事であり、日々の業務を行うことではない。また取締役は皆、対等であり、執行側が会社の利益を損ねる決定をしていないか常に監視する役割もある。
 執行役員というのは、CEOの部下として執行の一部を行う社員のことであり、経営者でも何でもない。部長や課長など、社内の肩書きのひとつに過ぎないものである。

 日本企業では執行役が取締役会にずらっと名前を連ねているケースも多いのだが、これは本来の主旨からするとかなり奇異に映る。社内の上司と部下が、対等な関係で経営者になれるわけがないからだ。
 これからの時代において、会社の上層部を目指すのであれば、このあたりついてはしっかり理解しておいた方がよいだろう。

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