なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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出世できる人は他人のモチベーションについて理解している

 

 出世できる人はモチベーションに対する理解が鋭い。それは自分自身のモチベーション・マネジメントという意味でもそうなのだが、それ以上に重要なのが他人のモチベーションについてである。
 上司として部下を持つようになった時はもちろんこと、対等な同僚であってもそれは同じである。他人のモチベーションについて理解できない人は、人の力をうまく活用することはできない。

環境が悪化しても生産性が落ちないことがある
 経営学の世界ではホーソンの実験という有名な話がある。ある工場で、労働環境が生産性にどう影響するのか調査が行われた。照明の状況は生産性に大きく影響すると思われていたので、照明を変えて労働するグループと、一定の照明の条件で労働を続けるグループに分けて実験が行われた。

 当初は、照明が暗くなったり、条件が悪化すると生産性が低下すると予想されていたが、結果はまったく逆であった。照明を変えて労働するグループの生産性は実験期間中、まったく落ちることがなかったのである。ひどいケースでは月明かり程度の暗さまで照明を落としても生産性に大きな変化はなかった。

 最終的な分析結果として得られのは、工場労働者の精神面の影響である。実験のために選抜された労働者には、選ばれたという感覚が当初から存在している。このため、明示的に意識していなくても、自分は特別であるという感覚が生まれ、がんばらなければという意識が働いた可能性が高い。

 もしかすると、集団の中で自分だけが失敗できないというプレッシャーも感じていたかもしれない。すべての状況でそうなるとは限らないものの、周辺の環境よりも、本人の意識の持ち方の方が仕事の質や量に影響するということをこの実験は物語っている。

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モチベーション・マネジメントは上司に対しても有効
 当然、この結果は、会社での自分や他人の行動管理に応用することができる。環境を整えることも大事だが、最終的には自分の立ち位置をどう考えるのかによってモチベーションは大きく変化する。

 同僚や部下に対しても同様である。常に指示待ちだった人でも、一定の責任あるポジションに置くと、人が変わったように自発的になるケースはよく目にする。もちろんこれは性格によるところが大きく、誰でも同じ理屈が適用できるわけではない。しかしこうしたメカニズムが働きやすいということは常に意識しておく必要がある。

 同じ同僚からの頼み事でも、皆が快く引き受けてくれる人とそうでない人に分かれてしまうのは、他人のモチベーションの理解に差があるからである。人をうまく巻き込める人は、他人のモチベーションをうまく引き出しているのだ。

 つまり、出世できる人は、誰にどのようなモチベーションを与えると、最大の効果を発揮するのかについて敏感ということなのだが、これは上司に対しても同じである。出世できる人は、どうすれば上司が自分の思うように仕事を進めてくれるのか常に考えている。

 こうした心理戦が苦手な人は、上司の機嫌が最も悪いタイミングで、難しい問題の相談に行ってしまったりする。人がどのようなモチベーションで動いているのかというメカニズムは、組織の中の行動すべてに関係してくる重要なテーマなのである。

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