なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

部署の異動はタイミングがすべて

 

 企業を取り巻く状況は時代によって変化する。一方、組織というのはどちらかといえば保守的で変化を嫌う。最終的に変化するにしても、それなりのタイミングというものがある。
 出世も同じである。組織の変化に対応していかないと常に出世候補でいることは難しくなるが、変化への対応が早すぎることも問題である。

マーケティングにおいてイノベーションはどう理解されているか
 こうした問題は、企業のマーケティングとよく似ている。企業はイノベーションに対応していかなければならないが、そのタイミングは、早すぎても遅すぎてもいけない。適切な市場参入タイミングを掴んだ企業が、イノベーションの果実を手にすることができる。

 イノベーションに対する顧客の心理は、マーケティングの世界ではかなり体系化されている。新しく画期的な技術に対する人々の反応は主に以下の5種類に分類される。

  ①革新者
  ②初期採用者
  ③前期追随者
  ④後期追随者
  ⑤遅滞者

 革新者に属する人は全体の2.5%しかいない。イノベーションの初期段階では、こうした冒険心に溢れた人たちの利用が中心となるが、市場としてはそれほど大きくないことに留意する必要がある。続いて全体の13.5%程度といわれる②の初期採用者が受け入れ始め、やがて本格的な普及が始まり、③以降の人が利用を開始する。

 新しい技術に企業が対応するためには、本格的に普及する前に手を付けておく必要がある反面、早すぎた場合には失敗してしまう。新しい技術が市場に本格的に拡大する境目は普及率15%程度といわれているので、このあたりが目安ということになるだろう。

taimingu

タイミングを逸すると逆効果
 画期的な技術を持っていても、参入時期が早すぎて失敗し、模倣した後続企業にシェアを奪われるというケースは少なくない。すべてはタイミングがモノを言う。

 組織の出世も同様である。企業の花形部署は時代ごとに変化する。変化を見据えてうまく部署を移動することは、出世戦略のひとつの方法だが、大事なのはタイミングである。

 ここ数年、パソコンからスマホへのシフトが進んだが、それを見越して、パソコン関係の部署からスマホ関係の部署に異動できるよう画策するというのは、非常に賢い選択ではある。だがスマホ関係の部署がピークを迎える時期は、必ずしもすぐにやってくるわけではない。

 あるメーカーに務めるCさんは、スマホ時代の到来を見越して関連部署への異動の希望を出し、見事、異動に成功した。だがその会社でスマホ関連部門が脚光を浴びるのは、Cさんが予想したよりもずっと後だった。
 結局、スマホ関連部署が大きな立場を占めるようになった時、すでにCさんは別の場所に異動していたのである。常に勝ち馬に乗る戦略を採用する場合には、くれぐれもタイミングに注意する必要がある。

  関連記事

kaigi
出世したければすぐに体を動かせ

 通常の業務の最中であれば、指示された仕事を皆淡々とこなしているだけなので、各人 …

bunseki9731
自身の強みと弱みの把握は出世に役立つか?

 社内の出世競争において自分の強みや弱みを把握しておくことは重要である。だが過度 …

FE047_L
出世する人は自分で判断するポイントの見極めが上手い

 上司にはマメに相談しろといわれるが、事はそう単純ではない。マメに相談しないと「 …

sitsumon664
出世できる人は、相手からの質問に「はい」か「いいえ」で答えられる

 出世できる人は、常に自分ではなく、相手の目線で物事を考えている。このためコミュ …

komyunike
コミュニケーション能力は単体のスキルではない

 出世の要件のひとつに高いコミュニケーション能力があることを否定する人はいないだ …

Image8
完璧な情報などあるわけがない

 世の中には相手に対して完璧な情報を求める人がいる。残念だがそのようなタイプの人 …

a0008_001789
出世したいなら話は自己完結させよ

 出世できる人の話や資料には明確な特徴がある。話や資料の中でストーリーが完全に自 …

kojinoseika2001
個人の成果と会社の成果

 SNSやブログなどで自分の仕事について情報を出す人は多いが、最近、ある傾向が顕 …

google00aa
Googleの採用基準は出世の参考になる

 従来型の学業成績にこだわらない米Googleの採用基準が話題となっている。同社 …

GD123_L
人をうまく操って出世する方法

 他人というのは本当に思うようにならない存在である。人を思うように操ることができ …