なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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出世におけるドメイン戦略とは

 

 経営戦略の分野のひとつにドメイン戦略というものがある。簡単にいってしまうと事業領域のことだが、もう少し奥が深い。会社で効率よく出世するためには、出世戦略が必要だが、そこにはドメインという概念も必要となってくる。ドメインが理解できるようになると、戦略の柔軟性が高まってくる。

同じメーカーでもその業態は様々
 ドメインとは、組織の活動の範囲や領域のことを指す言葉である。製造業なのかサービス業なのかという違いも広い意味ではドメインの違いということになるが、経営の世界でドメインという言葉が使われる時は、もう少し違ったニュアンスになる。

 例えば同じメーカーでも、消費者向けの製品を作っている企業と、企業向けの商品を作っている企業とでは、その事業内容は大きく異なってくる。小売店というビジネスも、郊外型の大規模小売店舗と都市部のコンビニでは、売り商品の種類や売り方はまるで違う。これらは皆、ドメイン戦略の違いと解釈することができる。

 同じ製品を扱っていても、仕事の進め方が異なっているというケースもある。消費者向け製品のメーカーであっても、どのようにして製品を製造するのかは企業によってバラバラだ。
 工場を一切持たず、製造のすべてをアウトソーシングするファブレス企業もあれば、部品も含めてすべてを内製するところもあるだろう。ファスナーでは圧倒的なシェアを誇るYKKは、他社からの参入を防ぐため、製造装置まで自社開発するという徹底ぶりである。

 これらの企業は、メーカーという点では同じだが、ビジネスの進め方はまるで違うわけだが、これもドメイン戦略の違いといってよい。

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ドメインを決めるのは自分だけではない
 こうした考え方は、個人的な出世にも応用することができる。例えばITに関する専門知識があり、情報システムに関連する部門で働いている人の仕事は、広い意味では、すべて情報システム関連の仕事ということになる。

 だがITの専門家として、リクエストされたシステムを作ることに専念する人と、組織のシステム化において求められていることを要求仕様として取りまとめる人では、活動するドメインが異なっている。同じ部門に所属していても、ドメインをどこに設定するのかによって、振る舞い方は大きく変わってくるのだ。

 他部門とのインタフェースを重視するなら、むしろ、他部門の人に、その有用性をアピールした方がよいかもしれない。一方、システム構築の専門家なら、重視すべきは部門の内部である。

 野心的な人は、当初から自身を経営幹部になるゼネラリスト的な人材としてドメイン設定するかもしれない。だが、ドメインの設定は自分だけで完結するものではなく、組織内の他人の見方が大きく影響してくる。自分がどうなりたいかも重要だが、自分がどう認識されるのかということもよく理解しておく必要があるわけだ。

 自分の希望と自分が持つスキル、そして、他人がそれをどう評価するのかという視点が加わって、はじめて組織内でのドメイン戦略が確立する。

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