なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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指揮・命令系統の仕組みを理解できないと、出世は難しい

 

 会社というものは、基本的に上下関係で動いている。どんな組織にも、何らかの形で、上から下への指揮・命令系統が存在している。組織の中でうまく振る舞うためには、当然のことながら、指揮・命令系統のルールを熟知していることが望ましい。出世できる人は、組織の指揮・命令系統には敏感だ。

スタッフとラインの違い
 組織がそれほど大きくなければ、指揮・命令系統は単純なピラミッド型でうまく機能する。トップに立つリーダーがすべてを把握し、それぞれの部門ごとに上級管理職に指示を出し、上級管理職は、その下の管理職に、そして最終的には全社員に指示が行き渡る。

 しかし組織の規模が大きくなってきたり、取り扱う業務が複雑になってくると、単純なピラミッド組織はいろいろな問題を抱えてくることになる。最初に直面するのは、上に立つリーダーがすべてを把握できなくなることである。

 トップ・マネジメントになると、営業、技術、マーケティング、人事といった具合に、あらゆる分野にわたって部下に指示を出す必要に迫られる。最近は各分野での専門性がより高度になってきており、外部の人には理解できないことも多くなってきている。いくらトップマネジメントに立つ人が優秀でも、詳細なマーケティング手法や技術動向について、すべて把握することは不可能である。

 そこで、規模の大きい組織では、意思決定を行うマネジメントをサポートするための人員や組織というものが配置されることになる。それがいわゆるスタッフ部門である。スタッフ部門の社員は、専門的な知見を生かして、マネジメントを行う人の意思決定を手助けすることになる。

 社長を補佐する経営企画室や、調査部門などは典型的なスタッフ組織ということになる。また典型的なスタッフ組織となっていなくても、事実上、役職者を補佐する仕事が存在しているケースは多く、明示的ではないが、これもスタッフ部門ということになる。

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最終的な立場を絶対に忘れてはダメ
 企業の組織においては、指揮・命令系統に属するラインの職種と、サポート業務を行うスタッフの職種は厳密に区別されるべきものである。しかし、時として、これらの関係が曖昧になることがある。

 社長を補佐する仕事に就いている人は、場合によっては、社長から「全部任せるから君が決めてくれ」と丸投げされることがある。こうした仕事の出し方はあまりよくないのだが、面倒くさがりの社長の場合、こうなるケースは少ないない。そうなってくると、スタッフ部門の社員が事実上、社長のような振る舞いをすることになり、スタッフ部門の人物が物事を決めてしまうようになる。

 これは社長レベルに限らず、部長に付いている補佐役の課長でも同じようなことが起こり得る。また実行部隊と調査部門という関係でも同じである。ここで大事なのは、スタッフ部門の人は、自身はスタッフ部門であるという自覚を決して失わないことである。ここが組織で成功できるかの大きな分かれ目となる。

 中堅メーカーに勤務するTさんは、経営企画室で社長の補佐をしている。社長は多くの案件をTさんに任せたので、Tさんは社長の代弁者として社内で絶大な影響力を持っていた。Tさんよりずっと年長の部長も、Tさんをおだてていたくらいであった。だがTさんは社長が交代すると、たちまち地方の支社に左遷さてしまった。社内では、Tさんに対する不満が鬱積していたのである。

 このように、スタッフ部門の人物が、上席者の交代で一気に左遷されるケースは多い。役職者から信頼されることは出世の要件だが、それだけでは不十分だ。上司の中には、自分に対する不満をスタッフ部門の人に負わせようと意図的に仕事を丸投げする人もいる。組織の習性をしっかりと理解できなければ、組織での出世は難しい。

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