なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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出世できる人は、酒席を戦略的に活用している

 

 お酒の席は無礼講とよくいわれるが、実際は違う。酒の席での発言で失敗したビジネスマンは意外と多い。出世できる人は、決して、酒席でも手を抜かない。というよりも、こうした場に対する認識がそもそも普通の人とは異なっているのだ。

酒席の場は無礼講ではない
 出世できる人は、同僚や上司のことを決して身内とは思っていない。上司は自分を評価する相手であり、ビジネスに置き換えれば顧客ということになる。同僚は、出世を争っているライバルということになるので、同じ文脈で考えれば、競合と考えてよいだろう。

 顧客や競合相手を身内と考える人は、あまりいない。出世もビジネスの一環として捉えれば、酒席の場は、接待の場所であり、ビジネスの最前線ということになる。接待の場で気を抜かないのはある意味で当然のことといってよいだろう。

 だが、社員の中には、上司や同僚を完全に身内だと思っている人も多い。そうであるからこそ、酒席の場は、心からリラックスできる場所であり、ホンネを言う場になっている。

 実際、日本の多くの職場では、飲み会に行くことでお互いのコミュニケーションを深め、その後の仕事をスムーズに進めるという流れが、業務プロセスの一環として組み込まれている。酒席ではホンネで話した方よいというのはある意味で正しいのである。

 一方で社内における厳しい出世レースが存在することもまた事実である。出世できる人は、こうした場では気を抜かないし、むしろ戦略的に出世のために場を利用している。
 ホンネでコミュニケーションしたいと思っている人にはそのように振る舞い距離を縮め、状況を観察している上司などに対しては決して冷静さを失わない。酒席の場を心から楽しんでいるようではダメなのだ。

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酒席を戦略的に活用する人々
 管理職の中には、「酒の場は無礼講だ」と言って、部下にホンネの話をさせ、その後、どう処遇するのかの参考にしている人は多い。オーナー企業のトップとなると、こうした部分はさらに鋭くなる。

 ある上場企業のオーナー社長は、社内の飲み会には積極的に経費を使って良いと指示していた。その理由は、後で、その経費の利用状況を調べるためである。経理部門に指示して、誰と誰が飲んでいるのか、頻度はどの程度なのかをすべてチェックしていた。

 その後、さりげなく、世間話のフリをして、そうした社員の周辺の評判も聞き込んでいた。突然、トップが世間話をすると警戒する人もいるが、社内の飲み会の話がきっかけになるとこうした感覚も緩む。そのトップは、誰が自分の悪口を言っているのかも含めて、驚くほど、豊富な情報を入手することが出来ているという。

 サイバーエージェントの藤田社長は、人事部に命じて社内の「酒癖が悪い人のリスト」を作成しており、作成していることを社内で公言している。実際には、そのリストに基づいて人事を決めることはないそうだが、藤田氏がわざわざこのようなことをしている理由は、彼のビジネスに対する根本的な考え方と大きく関係していそうだ。

 藤田氏は、酒の席はビジネスマンとしてのリスクがある場所であるということを忘れるべきではないと発言しており、おそらくその基本を社員に徹底させたいのだと思われる。

 出席をリラックスした場だと捉え、羽目を外してしまう人と、多くの人がリラックスしていることを逆手に取り、出世のために戦略的に振る舞う人がいる。両者の社内でのポジションが最終的に大きな差になるのは、当たり前のことである。

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