なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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語学は出世に必須なのか

 

 英語の問題は日本企業において、長く議論の対象となってきた。グローバル化の進展で英語が重要なことは分かっているが、多くの人にとって、現実問題としてすぐに英語が必要となるわけではない。楽天のように英語を公用語にすると宣言する企業も出てきているが、社員の中には困惑した人も少なくなかった。

日本は世界的に見ても特殊な市場
 日本の市場環境は世界的に見てもかなり特殊である。先進国の水準で生活することできる国民が1億人以上いる市場というのは世界的に見てもそう多くはない。しかも、そのほとんどは、米国と欧州に集中しており、言語や文化の面での共通項が多い。

 西洋とは異なる文化圏に属し、英語を日常的に使用することなく、1億人以上の巨大な先進国市場にアクセスできるのは、日本くらいなものである。最近は中国が台頭してきているが、1人あたりのGDPはまだ日本の5分の1なので、先進国市場とはいえない。日本企業が置かれている環境は極めて特殊なのである。

 ここで英語が日本企業にとって、面倒な課題となる。現実問題としてマルチリンガルでビジネスを行うことは、かなりのコスト増加要因である。目の前に英語を必要としない巨大な市場が存在しているのであれば、そこでのシェア拡大を目指すという行為には一定の合理性がある。

 これまで日本企業が、あまり積極的にグローバル化を推進してこなかったのは、日本企業の消極性もあるが、こうした現実的な損得勘定も大きかったのである。

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実践的な能力よりも見た目のスペックが大事
 だが、多くの人が認識しているように、日本は人口減少が進んでおり、基本的に縮小市場となっている。持続的な利益成長を目指すのであれば、海外市場の開拓は必須の状況となりつつある。その意味で、英語の重要性は増えることがあっても減ることはないだろう。

 会社での出世は、実績を評価されるというポジティブな面もあるが、一方では、ダメな部分を減点していき、結果的に最後まで残った人が出世するというネガティブな面もある。特に日本企業の場合には、こうした減点方式の影響は大きい。

 せっかく管理職候補になったとしても「彼は語学はどうなんだ?」「いや、かなり不得意なようです」といった会話が上司の間で出てきてしまうと、場合によっては、他の候補者を含めて「もう少し吟味するか」といった結果にもなりかねない。

 特に会社がそのスキルを求めていることが明確であれば、どんな方法を使ってもそれにキャッチアップすることが重要である。その際、ポイントとなるのは、現実的な能力ではなく、それを示す材料である。結局、人はスペックでしか評価されないことが多く、この部分を取りこぼしてしまうと、スタートラインにすら立てなくなってしまう。

 TOEICのようなテストは、以前から実戦で使えないという批判があるが、やはり出世には、数字になっているものの方が有利だ。ムダかどうかは考えずに、一心不乱にこれに取り組める人が出世できる。

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