出世できる人は、人生の利回りが高い
出世できる人は、ビジネスマン人生における利回りが非常に高い。同じ努力をしても、それが出世という成果に結びつかなければ意味がない。出世しようと思うなら、いかに自身の利回りを向上させるのかについて意識した方がよい。
利回りを上昇させる方法は二つ
利回りとは投資商品における投資金額に対する利子や配当の割合のことを指す。100円の債券で毎年2円の利払いがあれば、その債券の利回りは2%である。この債券を90円で入手できれば、90円に対して毎年2円なので、利回りは2.2%に向上する。逆に利払いが3円に増えれば、やはり利回りは3%に上昇する。
ビジネスマンも、自分自身という資産から給与という配当を得ている投資商品であるとみなすことができる。ビジネスの世界で成功するということは、自分という商品の利回りを最大化することと同じである。出世できる人は、無意識的にこうした発想が身に付いていることが多い。
利回りを最大化するためには、投資金額を小さくするか、配当の金額を大きくする必要がある。投資金額は仕事に費やした労力と見なすことができるので、利回りを大きくするにあたっては、まずは最小限の労力で仕事をこなすことが重要となる。
なぜ最小限の労力であることが重要なのかというと、同じ仕事にかける時間が短ければ、別の目的に余った時間を使うことができるからである。具体的には、出世に効果のある作業に時間を割いたり、自らのスキル向上に回すことが考えられる。出世することで昇給を実現し、配当に相当する給与の額を大きくし、さらに利回りをアップさせるのだ。
時間を目一杯使いすぎないようにする
昇給という形にならなければ、基本的にどのように仕事をしようが、それまでの間に得られるキャッシュは同じ金額である。そうであれば、できるだけムダな仕事はせず、そこで余った労力は出世するための作業に費やした方がよい。
もっとも手っ取り早いのは、余った時間を利用して上司の出世に役立つ仕事を積極的に取りに行くことである。上司は基本的に忙しく、とにかく手間を省きたいと思っている。適切なタイミングで上司の雑用的な仕事をうまく「奪う」ことができれば、上司はあなたのことを高く評価するはずだ。
社内の人間関係が極めて重要なら、余った時間を社内コミュニケーションに費やすのもよいだろう。大事なことは、自身の時間を、最低限度の仕事のために全部使い切ってしまわないことである。投資する金額を抑え、余力を配当の増額が実現するための仕事に回すのである。
こうしたプロセスを継続的に実施できる人は、出世に対してもプラスのサイクルが回ってくるはずだ。一方、常に目の前の仕事に追われてしまっている人は、部署や上司の状況が把握できず、結果的に不利な立場のままである。余計な仕事を抱えないためにも、余裕を持って部署内を見渡すことは重要である。
常に利回りという考え方を意識していれば、時間配分や神経の使い方もずいぶんと違ったものになるはずだ。
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