なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

自分自身のバランスシートを理解することの重要性

 

 企業は、自身の経済活動で富を生み出すための存在だが、それは個人も同じである。ビジネス・パーソンは、自身という資産を活用して、富を生み出す企業のような存在である。だとするならば、企業と同様、財務諸表という概念が適用できるはずだ。

企業はバランスシートから利益を得ている部分も大きい
 財務諸表は、大きく分けて、損益計算書と貸借対照表(バランスシート)の2種類で構成されている。企業の売上げは、個人に当てはめれば年収ということになるので、損益計算書の方は、イメージしやすいだろう。問題はバランス・シートである。

 有能な経営者は各期の利益も重視するが、それ以上にバランスシートの状況に対して注意を払う。同様に出世できるビジネスパーソンは、自身のバランスシートを強く意識して、日々の仕事を行っている。

 企業の収益は、毎年のコストによって生み出されている部分と、資産が生み出している部分の2つに大別することができる。ある商品を仕入れて、それを販売するというビジネスであれば、商品の仕入れやそのために必要となった人件費は単純なコストである。

 個人にあてはめれば、仕事のために費やした労力がコストということになる。効率の良い仕事ができれば、最小限の労力で最大の年収を得ることができる。企業でいえば、利益率が高いビジネスということになる。多くの人が、仕事の効率を上げようとするのはそのためである。

zaimushohyou

個人における資産とは?
 しかし企業の収益はそれだけでもたらされているわけではない。例えば鉄道会社は、最初に手間をかけて敷設した線路が富の源泉である。確かに、電車の機関士や車掌、駅員などは日々のコストだが、もっとも大事なのは、線路という資産(インフラ)である。

 また、同じ商品を扱う小売店でも、見えない資産である店のブランド力によって売上げは大きく異なる。企業の収益は、こうした資産の部分によって大きく変わってくるのである。線路は有形の固定資産ということになり、ブランド力は無形の資産ということになる。

 これは個人も同じで、資産に相当する部分が積み重なっている人とそうでない人とでは、同じ環境で仕事をしていても、そのパフォーマンスは異なってくる。この積み重ねは大きく、放置すると年々、差が開いてくることになる。

 個人における資産は、知識、人脈、仕事のノウハウ、健康管理など多岐にわたる。こうした自分自身の資産をうまく管理し、それを育てることができた人は、同じ労力でも、仕事の成果はまるで異なってくるのだ。

 毎日の仕事の中で、自分の資産をいかに蓄積していくかという視点を持つ人と、持たない人では、その結果が違うのは当たり前である。目の前にある仕事をただこなすのではなく、これが自身にとってどのような資産になるのか、常に考えて仕事を進めるべきである。

  関連記事

netuidake
仕事ができないならせめて熱意くらいは見せろ

 会社の中の人材を見渡してみると、仕事の能力と熱意の組み合わせで以下の4つのパタ …

a0002_001517
部署が変わっても成功する人の秘訣

 人事異動で部署が変わり、なれない仕事で苦労する人も多い。自分が望まない仕事や自 …

a1180_005319
MBAにまつわる大きな誤解

 一時期ほどではないが、MBA(経営学修士)取得を希望する人は少なくない。中には …

sumimasen441
謝罪グセは出世の大敵

 何かにつけて「すみません」「すみません」と言う人がいる。当たり前のことだが、こ …

mimiari
出世できる人は、重要な情報を握っている

 どんな組織でも情報は強力な武器となる。これは出世に限らず、ビジネス全般に言える …

itabasami4001
メッセンジャーボーイにはなるな

 会社の仕事で板挟みになるケースは多い。上司と取引先や、他の部署の上司と自分の上 …

a0002_010614
世代間でコミュニケーションギャップがあることは出世のチャンスだ

 最近、スマホ世代の若者とバブル世代上司で、うまくコミュニケーションが取れないと …

ryouiki6573
出世におけるドメイン戦略とは

 経営戦略の分野のひとつにドメイン戦略というものがある。簡単にいってしまうと事業 …

a0003_001763
自分より年下の人脈を重視せよ

 最近は多くの企業で出世させる人とさせない人を明確に区別するようになってきている …

EV124_L
数字に強い人は出世しやすい

 世の中には数字に強い人そうでない人がいる。だが出世するためには数字に強いことが …