出世できる人はITツールをめぐるトラブルとは無縁
新しいITツールをめぐる職場のトラブルはなくならいようである。ネット上では「Lineで欠勤の連絡はアリか?」「「客先でスマホをいじるのはどうなのか?」「就活でGmailを使うのはどうなのか」さらには「ツイッターで会社の愚痴を言ったら降格になった」といった話題が飛び交っている。
トラブルの原因のほとんどは「べき」論
こうした新しいツールをめぐるトラブルはいつの時代も発生していることであり、特段目新しいことではない。この手のトラブルが起こる原因は基本的にはひとつしかない。お互いが「べき」論を語っているからである。
Lineで欠勤の知らせを受け取っている上司は、こうした連絡は電話か正式なメールで送ってくる「べき」だと思っているので、そうではない社員の対応が気にくわない。一方、Lineで欠勤の連絡する社員は、連絡手段はどんなものでも許容される「べき」だと思っている。
つまり、両者とも、単純にベキ論をぶつけ合っているにすぎないのだ。他のテーマも同様である。
出世できる人はこうしたトラブルとは一切無縁である。出世できる人は、つまらない「べき」論など持っていないからである。出世は基本的に上の人が下の人を評価するシステムなので、言動について最初に意識すべきなのは下の人ということになる。
上司の様子を一通り観察していれば、Lineで連絡したらどの上司が怒り出すのかは容易に想像が付くはずである。そのような上司にはLineで連絡しなければよいだけだ。わざわざ突っ込まれる行動を自ら実践するメリットはない。
誰が正しいのかを証明しても意味がない
客先でスマホをいじることや就活でGmailを使うことも同じである。これに対して小言を言いそうな相手は容易に判別が付くようでなければ組織の中でスムーズに仕事をすることは難しいだろう。
それでもこのようなトラブルになってしまうというのは、相手をよく観察できていないか、自分の中に過剰な「べき」論があるかのどちらかということになる。両者のどちらだったとしても、出世にはあまりプラスに作用しないだろう。
ツイッターで愚痴を書いて降格も同じ話である。その処分自体が正統なものか不当なものかなどこの際、どうでもよい。問題はツイッターで愚痴を書いた結果、何が起こるのか予見できなかった点にある。
自分の行動ですら予見できないのだから、ましてや部下を持った時、部下によるSNSへの書き込みで会社がどのようなトラブルに巻き込まれるのか予見することは難しいだろう。だとすると、基本的に組織で仕事をすることには向いていないのかもしれない。
会社は誰が正しいのかを証明する場所ではない。そのような場所に「べき」論を持ち込んでしまうのはナンセンスな行為であることを理解しておく必要がある。組織の中で出世したいと思っているのなら、なおさらである。
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