なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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自身の強みと弱みの把握は出世に役立つか?

 

 社内の出世競争において自分の強みや弱みを把握しておくことは重要である。だが過度にこうした分析を行って出世の戦略を決めてしまうのは少々リスキーである。組織の中で振る舞うことの制約というものが存在するからである。

自分の強みが分かれば出世の戦略も見えてくる?
 経営学の世界ではSWOT分析に代表されるように、自分自身の強みや弱みを把握し、それを戦略立案に応用しようという考え方がある。

 例えば、技術力があり高品質な製品を得意とするメーカーは、それが強みとなる一方、コストが高いことが弱みとなる。高品質・高機能など商品が求められる市場環境があれば、それは有望な事業チャンスと認識されることになる。

 一方で、圧倒的な低価格商品の登場は自社にとっての脅威と認識される。もし脅威を回避する方法があれば、それを実践し、自社の強みを生かす方策が重要となる。また、自社の弱みを克服し、事業チャンスに変える方法も同時に考えておく必要があるだろう。

 最悪の結果としては、脅威が現実のものとなり、それが自社の弱みに直結するものであれば、市場からの撤退も検討することになる。

 こうしたフレームワークはある程度までなら、自らの出世競争に応用することができる。会社の中を市場と考え、自らを商品と定義して、その特徴を考えるのである。

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企業と社員の最大の違いは・・・
 あるビジネスマンを例にとって考えてみよう。彼の強みは、高い営業力にあり、実際、営業成績は良好である。一方で、細かい社内調整はあまり得意ではない。この部分は彼の弱みといえるかもしれない。

 もし会社の人事法則や上司のスタンスが営業重視であったり、これから本格的に営業部隊を強化するという方向性が示されているタイミングであれば、そのビジネスマンは得意分野を生かして、さらに営業成績を上げることに全力を傾ければよい。

 一方、経営陣の方針などにより、組織力を強化する方向に会社が動いている時には、社内調整力不足はむしろ脅威となる。このような時には、営業成績を上げることよりも、むしろ社内調整のために多くの時間を割いた方が合理的だ。

 また営業重視という方向性が明確であっても、社内調整力不足から他の部署の協力が得られず、営業成績にマイナス要因の影響を与えているかもしれない。その意味でも、弱みに着目することは大事である。

 こうしたツールを使うと確かに自分がどのように振る舞えばよいのか、見えやすくなるので、活用するメリットは大きいだろう。
 ただ注意しなければいけないのは、多くの日本企業の社員の場合、撤退(つまり転職)という道を選択することは現実的に難しいという点である。自分の弱いところと会社の方針が重なった時でも、それに対応する以外に方法がないのだ。

 こうしたツールは、自由な市場で主体的に行動できることが大前提となっているが、組織の場合にはそうではない。むしろこうした脅威をいかに回避するのかについて、最も労力を割くのが得策ということになる。まんべんなく仕事ができる人が有利というのはこうした面も大きく影響している。少し後ろ向きだが、これはやむを得ないだろう。

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