謝罪グセは出世の大敵
何かにつけて「すみません」「すみません」と言う人がいる。当たり前のことだが、こうした謝りグセがついている人は出世しにくい。
謝っているという行為そのものが悪いのではなく、そのような状況に自分を追い込んでいる生活習慣にこそ問題がある。
コミュニケーションは最初が大事
よくあるのが、会議やアポイントなどの遅刻である。遅れて到着すれば、どうしても「すみません。道が混んでいたもので」といった形で、謝罪からスタートすることになる。相手は、「今日は来ないのかと思いましたよ」などと嫌みを言い、そこで相手の一歩リードとなってしまう。
もちろん、最初に謝ることになったからといって、その後の流れがすべて不利になるわけではない。
だが、交渉や会話というものは、スタート地点が非常に重要である。経験が豊富で、交渉力がある人ほど、スタートでよいポジションを確保することを重視する。劣勢になってから挽回することがいかに大変なのかよく理解しているかだ。
こうした細かい言動は、何年にも渡って蓄積してくる。生活習慣がだらしない人は、日々のコミュニケーションの中で、気付かないうちに不利な立場に追いやられ、結果的にビジネスでも成果を上げることができなくなっている。
出世できる人が早起きで、生活習慣がしっかりしているというのは、実はこうした面での効果もあるのだ。
仕事は日常の積み重ねで決まる
また自分では謙遜のつもりでも、あまりに過剰に「すみません」を連発していると、相手によってはかなり不愉快な印象を与えてしまう可能性がある。
過剰な謝罪の背後には、多くの場合、責任を回避したいというエゴが隠れていることが多い。控えめな自分を演出したつもりが、欲求丸出しという状況にもなりかねないので注意が必要だ。
指定時間より前に到着する、「あれはまだ?」と言われる前に報告する、締切りは必ず守るなど、日々の仕事におけるちょっとしたやり取りにおいて、先手を打つということは極めて有効な武器となる。たまに大きな成果を上げるよりも、ちょっとした「勝ち」を積み重ねている人は、非常に足腰が強い。
反対に、日々のやり取りで「負け」が込んでいる人は、たまに大きな成果をあげても、相応に評価されなかったりする。不公平に思うかもしれないが、評価というものは人が行うという現実を考えると、やむを得ない面がある。
日常生活において優位な立場にある人は、やはりあらゆる面で優位であり、そうでない人は、逆の結果になってしまう。「成果さえ上げればいいんだろ」と考えている人がいたら要注意である。
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