仕事をしないオジサンが増えてくるワケ
このところ、ネット上で会社の中で仕事をせずに、ただ給料をもらっているだけのオジサンに関する話題をよく見かける。要するに余剰な中高年社員という問題なのだが、こうしたことが起きる最大の原因は、終身雇用と年功序列の雇用システムにある。
だがもうひとつの理由としては、社会のシステム化がある。若い世代の人も注意していないと、やがて仕事をしないオジサンになってしまう可能性がある。
ITツールの普及が変化を加速
以前は、経済のパイが拡大していたので、下の世代がどんどん増えていた。このため、こうした問題はあまり顕在化していなかったのである。だが、理由はそれだけではない。
20年くらい前までは、基本的な事業環境が、高度成長期のままであり、大きな変化がなかった。しかしIT化とグローバル化の進展で、ビジネスの基本的な枠組みが大きく変化している。中高年が余ってしまうのは、人数の問題もあるが、ビジネス環境の変化に中高年が付いていけていないことも大きく影響している。
これは単にパソコンができる、スマホの操作が得意といった問題ではない。こうしたITツールの普及がもたらす、仕事のやり方に関する根本的、質的変化のことを示している。
以前であれば、専門的な知識は、それを持っているだけで価値があったが、今は単独の知識はあまり意味をなさない。必要な知識は効率よく収集し、それらをうまくインテグレートする力が求められている。また単純な仕事は、次々と標準化、システム化される傾向にある。
今の若い人も半数が仕事ができないオジサン化する
こうした作業のやり方についていけない中高年が多いのである。だがこれは、決して中高年だけの問題とは限らない。今の若い世代の人の中にも、こうした仕事のやり方に実はついていけていない人は多い。
ツールの操作に慣れている分、中高年よりもそれが目立たないだけで、その人たちが中高年になった時には、同じような環境に追い込まれる可能性が高いのだ。
将来、こうした仕事ができないオジサンにならないためには、標準化、システム化の対象となるような仕事からできるだけ逃れ、標準化の対象とならない付加価値の高い業務を得意とするようになる必要がある。
これは従来、専門性が高いといわれていたホワイトカラー職種にとっても同じことである。法律や役所の手続き、規則、会計など、その専門性が知識に偏っているものはかなり危ないと思った方がよい。
多少レベルは高くても、こうした知識偏重型の専門性は、標準化、システム化で取って変わられる可能性が高いのだ。IT化、グローバル化が、本当の意味で怖いのは、まさにこのような点なのである。
【参考記事】
「ブラック企業から学べること」
【関連サイト】
「お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
関連記事
-
-
凝り固まった思考は出世の邪魔
思考が凝り固まってしまうと、同じような考え方しかできなくなる。それだけならまだ …
-
-
出世する人は決断力があるのか?
仕事ができる人は決断力がある。少なくとも周囲はそのようなイメージを持っているは …
-
-
出世する人の読書術
以前このコラムで「読書家は出世できないという話に潜む真実」という記事を書いた。 …
-
-
若手と年配の携帯電話論争から出世のヒントを得る
最近、携帯電話の使い方をめぐって若手社員と年配社員との間で論争が起きているとい …
-
-
理系は出世できるのか?
日本には「理系」「文系」という区分がある。国際的には奇妙な区分なのだが、日本で …
-
-
上司は結構疲れている
上司に気に入られようといろいろ工夫してるが空回りしている人も多い。上司が求めて …
-
-
隣の芝生は青く見える
自分の会社にはどうしてこんなにも活気や夢がないのだろうか?多くの人がそう考えた …
-
-
ブラック企業から学べること
最近ブラック企業が話題である。企業の中には確かに犯罪まがいのところもあり、その …
-
-
返事は早い方が出世には断然有利
出世する人は基本的に返事が早い。 だが幸いなことに、ちょっと工夫をすれば誰でも …
-
-
時代の変化を知る方法
同じ会社で出世を目指すにしろ、転職でキャリアアップを目指すにしろ、時代の変化を …
- PREV
- 人脈を構築する3段論法
- NEXT
- とうとう年功序列の賃金体系にメス?