なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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スパイの技術を出世に応用する①

 

 スパイというと人を暗殺したり、施設を爆破したりといった派手な映画のシーンをイメージするかもしれない。だが実際にはスパイ活動(諜報活動、インテリジェンスとも呼ぶ)はもっと地味なものだ。

スパイとは地味な活動の積み重ね
 諜報組織(米国ではCIA、ロシアではKGB、イスラエルはモサドなどが有名。日本では内閣情報調査室などがある)はそのイメージとは裏腹に、業務の9割以上が公開情報を丹念に分析する作業で占められる。

 残りは重要人物に対する工作活動などになるわけだが、この作業も非常に地味なものといわれている。

 ロシアのプーチン大統領はKGB出身である。スパイ出身で柔道黒帯と聞くと暗殺マシーンだったのかというイメージを持ってしまうが、スパイ時代の彼の仕事もまた地味で退屈なものであったらしい。

 逆にいうと、このことは、スパイ活動のノウハウをビジネスに応用することが比較的容易であることを意味している。実際米国にはビジネス・インテリジェンスという言葉もあり、諜報活動のノウハウが積極的にビジネスに生かされている。

監視活動のテクニックはそのまま応用可能
 スパイといえばまずは監視活動である。監視活動で重要なのは「変化」だ。スパイにとって監視するターゲットがサラリーマンだと仕事が相当楽にになるといわれている。サラリーマンは毎日同じ時刻に出勤し、同じルートで会社に向かう。服装もほぼ決まっている。
 時間やルートが変わったり、服装に変化があったりすると、間違いなく本人の生活環境に変化が生じている。スパイはこの変化を頼りに、背景に何があるのか探っていくのである。

 このテクニックは、ビジネスのあらゆるシーンで応用することができる。

 上司や同僚であれば、出勤時間、退社時間、電話の頻度や相手、服装、食事などあらゆるものがチェックの対象となる。
 取引先でも同様だ。電話の応対、受付の体制、応接の状況など、あらゆるものに気を配っておけば小さな変化があった時にそれに気づくことができる。
 
 このとき、ただ変化があったことに気づいただけではダメである。

 スパイは監視ターゲットのちょっとした変化と、ニュースなどで得られる大きな情報をうまく組み合わせ、点を線に、そして面に拡張していき、最終的に何が起こっているのかの全体像を把握する。

 ビジネスの世界でも同様である。会社の上司であれば、上層部でどんな決定がされているか、取引先はどんな状況かなど、別なルートで収集した情報と組み合わせることで、はじめて情報が生きてくるのだ。

 情報収集は本人だけがターゲットとは限らない。役員の動向を知りたいという場合には、役員の秘書や役員と関係の深い部署の中間管理職なども有力な情報源である。

アクティブな活動とパッシブな活動
 スパイの情報収集にはアクティブ(能動的)な情報収集とパッシブ(受動的)な情報収集がある。

 相手の組織に工作員を送り込むのはアクティブな手法なのだが、これは洗練されたテクニックとは思われていない。工作員と自覚している工作員は裏切ったり、ウソの情報を流す可能性があるからである。最良の工作員とは本人が工作員であると自覚していない工作員なのである。

 ターゲットになる本人とその周辺にいる人を注意深く分析し、これをマクロ情報と組み合わせることができれば、あなたもプロ級のスパイである。

 ゼネコンに勤務するCさんは社内の事情に異常なほど詳しい。だが周囲の人はCさんを事情通とは思っていない。その理由はCさんが社内事情の話を周囲にしないからである。もう一つの理由は、Cさんがパッシブ(受動的)な情報収集をしているからである。

 あちこちの部署にいろいろなことを聞きまわっていると、すぐに警戒されてしまう。Cさんは欲しい情報がもう少しで手に入ると思っても、決して自分から聞くことはしない。じっくりと取り組んで、相手がしゃべるチャンスを待っているのである。
 とにかくスパイには忍耐が必要なのだ。

【参考記事】
誰が出世するのか見極める方法
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
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