若手と年配の携帯電話論争から出世のヒントを得る
最近、携帯電話の使い方をめぐって若手社員と年配社員との間で論争が起きているという。かけた電話には原則として出るように主張する年輩社員に対して、若手社員は、電話はいつでも出られるわけではないので、重要な要件ならまずメールで連絡して欲しいと主張して対立しているというのだ。
携帯電話論争はなぜ起きるのか?
ここではどちらが正しいのかについては問題にしない。重要なのは、若手の立場であれ、先輩の立場であれ、こうした状況において、相手をどれだけ説得させることができるかが、出世において重要なカギになるという事実である。
若手社員の言い分としては、電話では、鳴っている段階で要件が分からないため、中座しても電話に出るべきか、後でかけるか判断できないという。
メールで要件を書いてくれれば、優先順位を付けられるので、その方が合理的だという。確かにその通りなのだが、若手のこうした意見の背後には、メンドーな要件から逃げたいという意識も見え隠れしている。
メールであれば内容を確認できるので、かなり後になってから「打ち合わせが長引いていたので」といったアリバイメールを送信することもできるからだ。
年配社員はおそらくこのあたりがカンに障るのだと考えられる。年配社員が若い時代には、上司からの電話にはどんな時でも出るのか当たり前と言われており、部下にもそれを求めている。単なる根性論にも聞こえるが、常に電話をかけまくって追跡しプレッシャーをかけた方が成績が上がる部下が多いのも事実である。セルフマネジメントで高い成果を上げることができる若手などごく一握りだ。
だが双方で自己主張していも始まらない。出世できる人材になろうと思うのであれば、それぞれの立場で、相手を説得させる能力が必要となる。
世代間ギャップを埋める能力は、出世と直結する
まず上司の立場であれば、なぜ電話に出なければならないのかを若手に理解させる必要がある。そのためには、電話で連絡する事項とメールで連絡する事項の違いを論理的に示し、それをルール化しなければならない。
例えば「上司が緊急と認定した場合は電話をかけ、それ以外はメールにする」というルールを決めたのであれば、くだらない要件で電話をかけることはタブーである。
その一方で、もし部下が電話にでないことがあったら、それに対しては容赦ない対応が必要となる。公正なルールを制定する一方、ルール遵守を徹底させる覚悟が必要というわけである。
これがきちんと実行できるのであれば、携帯電話論争などなくなるはずだし、それができる上司でなければチームをまとめることはできない。
一方部下の方は、上司や年配社員が何を望んでいるのかを的確に理解する必要がある。
中には意味もなく部下に電話をかけ干渉したがる人もいるかもしれないが、上司がわざわざ何度も電話をかけるのは不安心理から来ていることが多いのだ。部下はそのことを理解した上で、上司に先回りして行動することが求められる。このぐらい気が回らなければ、出世は難しいと思った方がよい。
上司は全体の進捗状況を常に気にしており、状況を聞いて安心したいので部下に電話をかけるのである。上司が何について気にかけているのか理解していれば、先回りしてメールで進捗を報告することができる。常に進捗が送られてくれば上司は安心するので、無意味に電話をかけてくる回数はグッと減るはずだ。このような部下に対する上司の評価は間違いなく高い。
【参考記事】
「目立つなら相当目立たないと意味がない」
【関連サイト】
「お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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