なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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絶対の禁句「そんなこと分かってます」

 

 出世を望むビジネスマンにおける絶対の禁句のひとつに「そんなこと分かってます」というのがある。自分では十分に注意していたつもりなのに、たまたま犯してしまったミスを指摘された時など、つい言いたくなるセリフだ。だがこれを我慢できるかできないかは、出世できるかどうかの重要な試金石となる。

ここまで出かかった「そんなこと分かってます」
 商社に務めるTさんは、現在管理職に昇進しているが、若い時にちょっとした経験をした。大した話ではなかったが、今になって思えば自分の出世にとって非常に重要な出来事だったという。

 Tさんは、ある取引の見積書にミスがあることを上司に指摘された。
 Tさんは、この件について以前に指摘された記憶はなかったが、上司は「だからいつも言ってるだろ」といった調子でTさんを叱った。上司は気分で言ったのか、勘違いだったのかもしれない。

 Tさんは、見積書は営業マンにとって命だと常々思っており、絶対にミスがないように細心の注意を払っていた。いつもならミスがないか必ず確認をしているのだが、その時には、上司から急ぎの要件を複数頼まれ、かなり混乱していた。結果としてミスを発見できず、顧客に提出してしまったのである。

 Tさんはいつも注意しているにもかかわらず、今回だけたまたまミスをしてしまった。だが上司はあたかもいつもミスをしているかのように注意してくる。「見積書というのは、必ず何回か見直すものなんだよ」という上司の小言に「そんなことわかっています」ともう少しのところで口に出しそうになった。だがTさんは思いとどまった。

避けられないミスをどう解釈すべきなのか?
 Tさんは上司には逆らうべきではないという考えで、反論しなかったわけではない。上司の説教は自分にとっては不本意で非常に不愉快だとは思ったが、論理的に考えて上司の言っていることは正しいとTさんは認めざるを得なかったので反論を諦めたのだ。

 上司は「それみたことか」という口調なので、心情的にはTさんは非常に悔しい思いをしただろう。だがミスをしたのは厳然たる事実なのだ。上司の口調がどうあれ、前後の環境がどうあれ、Tさんはミスをした。
 どんなに日頃注意していても、実際に提出する見積書でミスがあれば、それで勝負は負けなのである。Tさんはその事実を認め、反論を諦めたのである。

 ミスをしたことを注意されると、ミスそのものを注意されたのだと勘違いして「ミスするのは誰でもあることなのに」と考える人が多い。だが事の本質はそこにはない。
 ミスすることを前提に、ミスへの対策を事前に実施していないことに対して叱責されているのである。ミスは避けることができないものと考えるのか、ミスは避けることができないが、対策はいくらでも立てられると考えるのかでは、全体的な仕事の質が比較にならないくらい変わってくる。

 Tさんは、この出来事をきっかけに、すべての仕事に完璧を期すことができるよう、仕事の進め方を全面的に見直した。そして何となく、仕事ができるようになることはどういうことなのかを実感できたような気がした。Tさんが、この出来事が出世のきっかけになったと証言しているのは、そういう理由からである。

【参考記事】
出世したければ日報・報告書は甘く見るな
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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