なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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出世する人は話を聞くフリが上手

 

 日本の組織では相手の話を聞くことは極めて重要である。それは相手の話をじっくり聞いて、きちんとコミュニケーションを取るという意味とはちょっと違う。相手の話を聞くということは「相手をぞんざいに扱っていませんよ」というサインであり、話の内容はどうでもよいのである。出世する人にはこのあたりの扱いが実にうまいのだ。

新規事業の担当者に皆が文句をいう儀式
 創業オーナーが社長をつとめるある中堅企業では、若いスタッフを登用して新規事業を行うことになった。社長は創業者なので、その人の決定は絶対である。本来であれば、社長が「新規事業をやることになった」の一言でよさそうなものである。だがその会社の様子はだいぶ違った。

 各部署の責任者が集まる大規模な会議を何度も開催し、そのたびに若いスタッフが事業計画を説明し、各部署の責任者からの意見や質問などを受けるのだ。

 実際には質問や意見ではなく、かなり辛辣な批判や攻撃といってよい。だが創業社長は、各部署の責任者にはどんどん意見を言って欲しいとあらかじめて伝えていただけでなく、自分はその会議に出席しないのだ。

 最後には、全管理職が参加する合宿まで行い、会議の後の宴会でも、新規事業のスタッフはベテランの管理職から攻撃されることになった。会議の最後に姿をあらわした創業社長は、新規事業のスタッフに「先輩方の心優しい指摘を真摯に受け止めるように」といって会議を締めくくった。

 だがその後、プロジェクトは何事もなかったかのようにスタートした。社長ははじめからこのプランを実施することを決めており、幹部社員の意見を聞く気などない。一連の会議や合宿はすべてセレモニーなのである。

プロジェクト・リーダーに選ばれた理由とは?
 要するに、頭のカタイ、古い管理職は使い物にならないので、新しい社員を抜擢して新規事業に取り組んだという話である。古いタイプの管理職はオーナー社長からは見捨てられてしまったわけである。だが不思議なことに、こうした儀式を済ませてしまった後は、社内からは反対の声は上がらかった。大方の人にとって、自分はないがしろにされていないと示されれば、現実の処遇がどうであれ、満足するということなのである。

 馬鹿げた話だがこれが大方の日本企業の現実である。
 この新規プロジェクトのリーダーには二人の候補者がいた。ひとりはMBAを持っていていかにも知的で勢いのある話し方をするタイプの社員。もうひとりは、実績は優秀だが控えめで目上の人の話を聞く(聞いたフリをする)のがうまい人だ。当然社長が選んだのは後者である。

 プロジェクト・リーダーになった社員は、数回の社内会議で先輩社員から寄せられた、かなり馬鹿げた質問をすべて最後まで聞き、その都度「ご指摘ありがとうございます」といってから自分の見解を説明した。最後には、質問者とまったく異なる結論であっても、「基本的に目指すところは同じと考えております」という一言まで付け加えていたのである。

 諸外国の会社であれば、そもそも全社的な意思決定権のない管理職が、会社の新規事業に賛成、反対ということ事態がナンセンスであろうし、もし反対だというなら、説明会を開こうが、合宿をしようが、自分を立ててくれようが反対なものは反対なはずである。そうではないところが右脳型といわれる日本企業の特徴である。そのような組織では、まず人の話をじっくり聞くフリをすることが、何にもまして重要なのである。

【参考記事】
出世したければ人の話はスルーするな
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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