仕事ができないならせめて熱意くらいは見せろ
会社の中の人材を見渡してみると、仕事の能力と熱意の組み合わせで以下の4つのパターンに分類することができる。
①能力もあり熱意もある
②能力はあるがあまり熱意はない
③能力はないが熱意はある
④能力も熱意もない
①のように能力も熱意もあれば、人格的に大きな問題があるなどの欠点がなければ、少なくとも若いうちはそれなりの評価を得ることができるはずである。
逆に④のように、能力がなく、熱意もないということであれば、そもそも出世は難しいだろうし、出世しようとも思っていないだろう。それにこのコラムを読んでいるとも思えない。
問題は②能力はあるがあまり熱意はないタイプの人と、③能力はないが熱意はあるタイプのどちらが有利かという点だ。
上司は熱意と能力をどう評価するのか?
サラリーマンである以上、直属の上司の評価は出世に大きく影響する。まずは、上司から見て②と③の人はどう映るのか考えてみよう。
上司もいろいろな人がいる。上司が皆仕事ができるとは限らない。年功序列社会で競争を好まない日本では、仕事ができない上司は多い。
仕事ができない上司の場合には、③に軍配が上がる。
仕事ができない上司には、部下のやる気や能力をうまく引き出す仕事の割り振り難しい。
このため②のタイプの部下の能力を開花させることは困難である。下手をすると単に「やる気のないヤツ」と思われておしまいかもしれない。
③の場合には、仕事はできないのだが、どうぜ上司もそれほど仕事ができるわけではない。熱意を見せることで「コイツも頑張っているんだな」という評価を得られるかもしれない。
逆に仕事ができる上司の場合は、②のタイプでも大丈夫だ。うまく本人のやるきを引き出し、成果を上げられる仕事をアサインしてくれるだろう。
もっとも仕事ができる上司の場合には③でもそれほど心配する必要はない。仕事ができないなりに本人にとってプラスとなるよう指導してくれるだろう。
問題は、本人は仕事ができて、仕事ができない人を軽蔑するタイプの上司である。このような上司にあたってしまうと、③のタイプの人は嫌われてしまう。「仕事ができないクセにやる気だけはあって始末に負えないヤツだ」と思われてしまうのである。
だがこの手の上司は、基本的に仕事ができない人を嫌うので、④の能力もないがやる気もないという人も同じように嫌う。仕事ができないという段階で②にはそもそも勝つことができないので、熱意があることは結局プラスにもマイナスにも採用しない。
成果主義が徹底されても熱意の効果は健在
以上を整理するとこうなる。
能力があることは重要ではあるが、熱意を見せることはそれと同じくらい重要である。熱意を見せて大きく損することはないが、熱意を見せないと損する可能性は十分にある。
日本社会にもグローバル化の波が押し寄せ、成果主義的な人事制度を採用する会社が増えてきている。
完全な成果主義のもとでは、やる気や熱意は評価には関係しない。下手をすると能力すら評価されないかもしれない。評価されるのは唯一成果のみということになる。
だが成果主義が徹底しているアメリカでも、熱意は出世するための大切な要素であり続けている。外資系日本法人に本国(アメリカ)からお偉いさんがやってくると、日本法人の社長(アメリカ人)が高価なスーツをビシっと決めて出迎えるというのはよく見られる光景である。
シャキっとした服装をしてヤル気を見せるのは、成果主義の世界でも基本なのだ。
また上司の奥さんの誕生日に気の利いたプレゼントを贈ったり、ホームパーティに呼ばれたら高価なワインを持っていくなど「小技」で熱意を見せる手法もまだまだ健在である。
特に仕事面でイマイチだな、と思っている人は、常に熱意をアピールすることを心がけたい。
【参考記事】
「そこまでするか?という出世学」
【関連サイト】
「お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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