なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

*

怒鳴ってもよい職場とダメな職場

 

 すべての会社に共通する出世の法則のようなものが存在しているのは事実だが、一方で出世する人の基準がそれぞれの会社によって大きく異なっているのもまた事実である。

 会社ごとの違いは細かいところを上げればキリがないが、乱暴にいうと2つのパターンに分けて考えることができる。

 ひとつは学歴でどのような人が出世しやすいかあらかじめ決められている会社である。もうひとつは業績の数字が基本的にモノをいう会社である。

 複雑に見える会社の出世ルールもこの2つの軸をどの程度の割合でミックスしているかで、だいたい分類することができる。

学歴重視の会社と数字重視の会社では上司の人格も変わる
 学歴を重視している会社はやはり大企業に多く、特に社歴が古い会社に顕著である。また国の規制に守られていてあまり競争が激しくない業界であることも多い。
 このような会社は現状維持と秩序が大事なので、学歴で人事を決めてしまった方がうまくいく。役所などはその最たるものである。

 一方数字が重視の会社はベンチャー企業も含めて社歴が新しい会社に多い。また営業面での数字がはっきりわかる業態であるとその傾向はさらに強くなる。

 自分の会社がどのような位置に属しているを知るためのユニークな方法がある。職場に怒鳴る上司がどの程度いるのかを見るのである。
 学歴重視の会社には、部下を怒鳴りつけたり、ムチャをいう上司の割合はかなり少ない。ちょっとキツイ上司だと「あの人はキツイ」などと噂されている。
 一方数字重視の会社には、部下を怒鳴る上司はごく当たり前に存在している。部下への仕事の割り振りもかなり強引だ。

 このような社風はなぜ形成されてくるのだろうか?

上司はなぜ上司として振舞えるのか?
 それは、上司であることの正当性が両社で異なっているからである。
 上司であることの正当性、つまり、この上司はなぜ上司としての地位にいられるのかという説得力の違いが、社風の違いとなって表れている。

 数字を重視している会社の場合は、上司は数字を上げた人なので、その実績には誰も文句を言えない(もちろん数字を上げればそれでよいのか、という問題はあるが、ここでは触れない)。

 結果として上司は絶対的な存在となり、部下には何を言ってもよいという価値観になる。かつての野村證券はノルマが厳しくノルマ証券などといわれていたが、野村の社内には「数字(営業成績のこと)は人格である」という格言まであった。数字がすべてというわけである。

 これに対して学歴を重視している会社の場合には、上司の正当性にイマイチ疑問符が付く。確かにいい大学は出ているのだろうが、本当に仕事が出来ているのか?という疑念である。

 このため、学歴重視の会社の場合には、上司が王様のように振舞うのは歓迎されない。とにかく波風をあまり立てずに、構築した秩序を守ることが重要なのである。上司が部下を怒鳴りつけるなどもってのほかである。

 かつて労働組合の活動が盛んだったころ、もっとも組合運動が激しかったのは、労働条件がキツイ会社ではなかった。学歴重視の大手企業がもっとも組合から攻撃を受けた。
 当たり前である。会社幹部の地位に正当性がないのである。組合に対して断固たる姿勢で対決することなどできるはずがない。

社風には誰も逆らえない
 郷に入れば郷に従えで、このような社風の会社の場合には、人を怒鳴ったりしない方がよい。場合によってはどんなに偉い人でも批判されてしまう。

 今回、原発事故を起こした東京電力がそのよい例だ。
 原発事故後、菅直人首相は怒りにまかせて東京電力に乗り込み社員を怒鳴り散らしたという。首相としての資質に大いに疑問符が着く問題行動ではあるが、驚くべきはその結果である。
 
 国に提出された正式な事故調査報告書において、社員が怒鳴られて正常な判断ができなくなり、事故の対応がうまくいかなかったと大真面目に書かれている。

 怒鳴った首相のせいで事故の対応が遅れたということらしい。
 つまり人から怒鳴られるという、あってはならない事態に直面してしまったので、事故の対応が遅れてもやむを得ないという論理である。これほどまでに怒鳴られるということは大変なことらしいのだ。

 これとは逆に、数字重視の会社では、ある程度部下にはキツくあたった方がよい。このような社風の会社で、部下に必要以上に優しく接していると、上から部下に媚を売っていると取られる可能性すらある。

 両極端の社風を取り上げたが、多くの会社はこれらの中間地点のどこかに位置しているはずだ。もう一度あらためて上司の行動を観察することをオススメする。

【参考記事】
出世する人は最初から決まっている?
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

  関連記事

keikoku001
徐々に出される警告を理解できない人は出世できない

 最近は日本企業でもグローバル企業的な文化を持つところも増えてきた。グローバル企 …

FQ033_L
これからは一生働くことを前提にキャリアを考える必要がある

 希望の持てない話で恐縮だが、多くの人が知っているとおり、日本の年金は制度維持が …

zaimushohyou
自分自身のバランスシートを理解することの重要性

 企業は、自身の経済活動で富を生み出すための存在だが、それは個人も同じである。ビ …

maemuki0003
苦労を楽しむなどと考えてはいけない

 ビジネスマンとして成長するためには、「苦労を楽しむ」といった前向きな気持ちが重 …

jikan9771
出世できる人は時間の「作り方」が上手い

 出世を意識するのなら、目の前の仕事で着実に成果を上げるのはもちろんのことだが、 …

a0002_003660
上司と部下は似てくる

 多くの人にとってはあまり受け入れたくないかもしれないが、上司と部下は似てくると …

kosuto4477
上司や会社に割高なヤツと思われてはいけない

 出世できない人に共通するのはビジネス感覚の薄さである。特に日本企業の場合、組織 …

a0001_017480
最後の局面ではやはり義理人情

 ものごとを論理的に解釈したり、論理的にプランを立てて仕事を進めていくことは重要 …

a0001_016562r
自慢をしていいことはほとんどない

 人はなぜか自慢をしたがるものである。他人の自慢話を聞くのは多くの人にとって苦痛 …

wakariyasui5556
出世できる人の話し方には共通項がある

 出世できる人の話し方には一定の共通項がある。逆に言えば、これを真似すれば、あた …