日本語を理解できる人は意外と少ない
日本語を話す日本人なのに日本語を理解できないとは変な話だが、表題に書いてあることは真実である。他人がしゃべっている内容や文章に書いてあることを、的確に理解できる人は非常に少ない。大方の人は、その内容をきちんと理解できていないと思った方がよい。
これは冗談ではない。多くの人は日本語を理解できていないという事実を知っているのといないのとでは、出世に大きく影響してくるのだ。
読者は文書に書いてある結論とは逆の理解をしていた
ある企業の研修会でのこと。講師がエッセイを参加者に配り、参加者はその内容を読んだ。エッセイには、技術が進歩したことでかえって不便になったケースや遺伝子組み換え食品の問題などが書いてあった。
参加者が一通り読み終わった頃を見計らって講師が「このエッセイで筆者は何と主張していますか?」と参加者に尋ねた。
参加者の多くが「技術の発展は人間社会に多くの弊害をもたらすので、科学に頼りすぎるのはよくない」という趣旨の回答を行った。
だがそのエッセイの最後の方にはハッキリと「技術を生み出すのは人間であり、決して人間は技術に負けてはいけない」とまったく逆のことが書いてあった。だがそれを理解した人は参加者の2割程度であった。
このことは何を示しているだろうか?文章や人の説明について、論旨として理解する人はほとんどいないという事実である。人は基本的にキーワードしか頭に入れない。キーワードから連想される結論というものが決まっていて、その逆のことが書いてあっても、それは目に入らないのである。
話の9割はキーワードで決まってしまう
会社において、他人に何かを伝えたり、文書で連絡をする際には、そのことをしっかりと頭に入れておく必要がある。極端な話、書いてある中身はほとんど理解されない可能性があるのだ。
他人とのコミュニケーションを的確に行うためには、まずキーワードの選定に細心の注意を払う必要がある。
いくら結論や論旨が明確であっても、それを連想させるキーワードが入っていないと、他人はそれを理解できない。意図を伝えるための第一歩はキーワード選びなのである。
キーワードを的確に選定し相手におおよそのイメージを伝えた上で、論旨を展開すれば相手の理解度も高まるだろう。
部下に注意する際などには特に注意が必要だ。キーワードを選び過ぎてしまうと、相手は注意されたと認識しない可能性がある。ある程度は叱責しているというイメージを作ることが重要だ。
あまりお勧めできないが、中にはこの方法を悪用している人もいる。相手が喜ぶようなキーワードをちりばめておいて、文章の論旨は相手の責任を問う内容の文書をあえて作成するのである。一見、批判したり責任を問う内容にはなっていないので、気付かない人はその文書をスルーしてしまう。だが、最終的には誰かを陥れるための文書として活用されてしまうという仕組みだ。
話は脱線するが、ネットの世界では絵文字が普及している。年配者は絵文字に眉をひそめるが、その批判は間違っている。年配者であれ、実は文書をきちんと理解できている人は少数派なのだ。文書を的確に理解できない人にとっては、むしろ絵文字の方が誤解がない分マシなのかもしれない。
【参考記事】
「タクシーで住所を告げる人は出世できない」
【関連サイト】
「お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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