なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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分かってます症候群の弊害

 

 プライドが高いと出世にマイナスの影響を与えることが多いことは過去にも指摘した。

 もちろんプライドにもいろいろあるわけだが、ここでいうプライドが高い人というのは、人から注意されたり指摘されたりすることが耐えられない、という人のことを指している。


 仕事にプライドを持っているという時のプライドとはニュアンスが異なるものだ。

分かってます症候群の患者は実はかなり多い
 この手のプライドが高い人が陥りがちなのが「分かってます」症候群である。これは、下手をすると社内や取引先などに大きなトラブルを招く原因になり、本人の出世にも完全にマイナスに作用する。程度の差こそあれ、この症状にかかっている人は実はかなり多く、要注意の症状なのだ。

 「分かってます」症候群はその名の通り、相手からの注意や指摘に対して「分かってます」と答えてしまうことを指している。

 卸会社に勤務するIさんは典型的な「分かってます」症候群だ。ある日Iさんは伝票の記載ミスを上司から指摘され怒られた。

 上司「どうしてこんなミスが起こるんだ!」
 Iさん「伝票の作成中に割り込みの電話が入って・・・」
 上司「そういう問題じゃないだろ!」
    「いつも伝票は二重チェックしろと言ってるだろう。何聞いてたんだ!」
 Iさん「それはわかってます」

 なあなあで済ませる上司ならば「とにかく気をつけろ!」で済んだかもしれない。だがIさんの上司は違った。

上司の激烈な注意の意味するもの
 上司 「お前、今、分かってますって言ったな!」

「わかってますってことは、前から分かっていたという意味だぞ!」
「じゃあお前は、分かっていながら、あえて何もしなかったんだな」
「明確な職務怠慢だ。職務規定違反で人事に通告したっていいんだぞ」

 Iさんにしてみれば、二重チェックの指示は分かってはいたが、忙しさにかまけて、チェックせずに済ましてしまったというのがホンネだろう。
 だがチェックせよとの指示を受けていたのは事実である。ならばIさんはこう答えるべきだった。

   「申し訳ありません」
   「二重チェックのことは理解していたつもりでしたが、出来ていませんでした」
   「次回から絶対に漏れがないように注意します」

 上司はこの業務について熟知している。ついチェックを忘れてしまったことぐらい想像できているはずだ。だが「分かっています」という自己正当化に対してこの上司は容赦しなかったのである。

下手な発言は命取りになる
 相手の正等な指摘に対して、自己正当化する回答をしてしまうのは、怒られている本人のプライドが高いことが原因である。

 家族や友人とのちょっとしたケンカなどでは「そんなの分かってるよ」という返事はよく使われているし、相手もそれほど内容を意識しているわけではい。Iさんはその気分の延長線上だったのかもしれない。

 だが、これがお金の絡んだ業務の話となると、プライドが高いからしょうがないですね、というレベルでは済まなくなる。

 取引先など外部の利害関係者が入る状況においては、「分かっていたにもかかわらず対応していなかった」という発言は命取りになりかねないのだ。

 社内で上司に対して意識せずに口に出しているということは、Iさんは顧客など外部の人にも同じ対応をする可能性が高い。上司はそれを危惧して、あえて厳しく接したのである。

 人間とはやっかいなもので、頭で理解しただけでは行動に移せないことが多い。その意味で人間もしょせんはタダの動物だ。殴られて痛い思いをしないと行動は変えられないのである。Iさんは幸いにして「ボコボコにしてくれる」上司に出会うことができた。
 わかってます症候群が原因でサラリーマン人生を台無しにすることだけは避けられたようである。

【参考記事】
真っ先に「でも」と反論するのは最悪パターン
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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