なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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「なかったこと」にしてしまう人に要注意

 

 自分が主張したことが完全に間違いだと分かったときなど、都合が悪い事態に遭遇すると人は様々な反応を示す。そのような反応のひとつに「なかったことにしてしまう」というものがある。自分のミスを正当化するではなく、あたかも存在しなかったかのようにして精神的に処理してしまうというものだ。

「なかったこと」の当事者はババを引かされる
 日本の社会は他人のミスを指摘することをよしとしないので、なかったことにするという手段が有効に作用することも多い。
 福島原発が事故を起こした際、政府内では最悪のケースとして、東京も含めて広範囲に汚染され、首都機能が麻痺するシナリオも想定していた。だが今となってはそのような話をしていたことが都合が悪いため、その話自体がなかったこととして処理されている。

 当初、事実関係を重視し原子炉のメルトダウンの可能性に言及した官僚は左遷され、意味不明の応対を延々と繰り返す後任者がエースとして着任したことはよく知られている。

 会社の組織でも似たような話はたくさんある。とにかくサラリーマン人生で避けなければならないのは「なかった」話の当事者になってしまことである。自分が取り組んだ仕事が全否定されてしまうだけでなく、先の官僚のように、その責任を取らされてしまうこともある。
 人事の評価は減点主義ということろも多いので、出世するためには、このような話にはできるだけ巻き込まれないように注意しなければならないのだ。

 ではこのような「なかった」ことにされてしまう話はどのようなものがあるのだろうか?多くは、新しいことか非常事態かのどちらかである。

「皆で渡れば」という古い流行語はまさに正しい
 80年代後半のバブル時代には企業の社会貢献が大ブームとなった。猫も杓子も美術館を作ったり、文化事業に協賛するなどの取り組みを行っていた。だがバブルが崩壊して企業の業績が低迷すると、ほとんどの企業では社会貢献事業はなかったこととして処理された。
 2000年前後のネットバブルの時代も同じである。あまり後先を考えず、とりあえずネット関連の新規事業を行う会社が続出したのである。だがそれをモノにできた企業はほとんどなく、多くが「なかったこと」として処理されてしまっている。

 卸会社に勤務するNさんは、ネットバブル前後、ITを使った新規事業の現場責任者となった。当時はITを使った新規事業に強い期待が寄せられていて、声の大きい何人かの役員がそれを後押ししていた。

 NさんはITを使った業務改革を本気で実現しようとがんばっていたのだが、力を入れすぎたのがアダになった。

 先を急ぐ役員にせっつかれ、新規事業の影響を受ける可能性がある既存事業の部署との根回しを十分にしないまま、強引にプロジェクトを進めていったのである。
 だがネットバブルはあえなく崩壊、会社の業績も低迷しITプロジェクトは消滅してしまった。当初、声高に新規事業を叫んだ役員はそのことを「なかったこと」にして封印し、責任をすべて現場のNさんに押し付けたのである。
 各部署との軋轢を生んでいたNさんは、その後どこの部署でもあまり歓迎されず肩身の狭い思いをしている。

 このような事態にならないためには、いくつかのコツがある。ひとつは、今後どうなるのか分からない新しいものには積極的に飛び込まない方がよいということである。またもしその立場になることが避けられない場合は、結果を急がず、常に周囲の状況を注視しながら進めるべきである。急にものごとを変えることは基本的に危険な行為なのである。

 もうひとつは新しいことに取り組むのであれば、過半数の人を巻き込むことである。Nさんが担当した新規プロジェクトが社長も含めて皆が関与するものであったなら、全員で「なかったこと」にする必要が出てくるので、誰かがババを引く可能性は少なくなるのだ。赤信号皆で渡れば怖くないという古い流行語があるが、まさにそれは正しい。

【参考記事】
不本意な結果を受け入れる方法
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
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