バブル上司など操るのは簡単
バブル経済の真っ最中に学生時代を過ごした世代が、社内でそれなりの立場に昇進する年齢に達している。時代がすっかり変わってしまった現代に生きる若手社員から見るとバブル上司は困った存在だ。バブル上司のムチャ振りに困っている人も多いかもしれない。
バブル上司であっても上司は上司。気に入られなければ昇進は難しい。だがバブル上司の行動メカニズムはひどく単純だ。コツをつかめば操るのはとても簡単である。バブル世代の読者の方は、逆に自分への戒めとして読んで欲しい。
バブル世代は若い頃「新人類」と呼ばれ忌み嫌われていた
自分達の価値観を押し付けられ「最近の若いモンは」などといわれている若手社員には想像もできないだろうが、バブル世代の人たちは戦後世代の中でも、もっとも年長者から否定され、ボロクソに言われた世代なのである。若手社員の人たちはまずそのことをよく認識しておく必要がある。
バブル世代の人たちは1980年代に高校大学時代を過ごしているのだが、1970年代と1980年代では生活水準に天と地ほどの差がある。1970年代までは極論を言えば終戦後の貧しい時代の延長線上にあった。だが80年代に入り、日本人の生活様式は劇的に改善したのである。
バブル経済の時は皆クルーザーに乗ってパーティ三昧だったなどと誇張して語られているが、皆がそのような生活をしていたわけではない。
どちらかというと、普通の人の生活様式が劇的に変わったのである。バブル世代より前の人には、ドトールやタワーレコードすらないのだ。この時代に高校大学生活を満喫した世代とその前の世代で、断絶があるのは当たり前である。
バブル世代の人は「新人類」と呼ばれ、社会情勢に一切感心がなく、何を考えているか分からない世代といわれた。東大でアイドル研究会ができたといって新聞で大騒ぎしていた時代である。前の世代からしたら理解不能だったのであろう。
バブル上司のアイデンティティは単純だ
一方でバブル世代は、2000年代に学生時代を過ごした人たちと比べると、完全に「昭和な人間」の部類に入る。つまりITネイティブな若い世代とはまったく相容れないが、旧世代の人たちから見ると理解不能な存在なのである。旧世代人間でありながら旧世代の仲間に入れてもらえないのがバブル世代なのだ。
ゆえにバブル世代は、異常に自己顕示欲が強く、人に認めて欲しいと思っている。また当時バブルの雰囲気をマスコミがさんざん煽っていたので、自分が体験していなくても、さもバブリーな雰囲気を味わっていたかのように錯覚している人も多い。
地上波バラエティ番組が今のスタイルになり、吉本芸人が台頭してきたのもこの頃である。テレビのバラエティが絶対の彼等にとって、ノリがいいことは何よりも重要なことだったのである。
とにかく楽しかった(と本人は思っている)あの時代が人生のアイデンティティのほとんどを占めており、そこに対するこだわりは尋常ではないのだ。逆に考えれば、若手の人は、その部分を徹底的にヨイショすればよい。
昔の話を始めたらシメたものである。「すごいですねー」を連発して徹底的に褒めればよい。クルーザーに乗った話をされたら「ぜひ僕も超ゴージャスな体験させてくださいよ-」と返そう。どうせお金もないので、そのうちということで終わるはずだ。
重要なキーワードは、テレビ、プロ野球、マンガ、アイドル、ユーミン、ポパイ、ハナコといったところである。それでは健闘を祈る。
【参考記事】
「とにかく嫌な顔をするな」
【関連サイト】
「お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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