なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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これからの時代にリストラされやすい人

 

 これまで多くの企業は社風を変化させずにやってきた。このため、会社における出世のルールは長期間にわたって変化することはなく、昔ながらの手法も通用することが多かった。
 だが最近ではM&Aや再生ファンドによる出資などによって、一夜にして社風が180度変化することも珍しくない。これからの時代においてリストラされないようにするためには、変化するルールをすばやくキャッチアップする能力が一段と重要になる。

M&Aで会社の基本ルールが一夜にして変わることも
 本コラムではたびたび指摘しているが、会社にはそれぞれ出世のルールというものがある。出世のルールはその会社によって異なっており、出世するためには、それがどのようなものなのかをいち早く理解し、それにあわせたゲームをしなけれなならない。

 日本の会社は変化に乏しいため、出世のルールも長期間変化しないことが多い。そうなると、出世のルールはどんどん抽象的になり、日常では強く意識することがなくなってくる。
 そんな状態で会社の社風が変わってしまうと、新しいルールにすぐに馴染めないという人が出てくるのだ。このような人は格好のリストラ対象となってしまう可能性があるので要注意だ。

 外資系の傘下に入った場合はもちろん、経営危機などによってファンドの出資を受けた際には、経営陣が変わり一夜にしてグローバル経営型に変化することがある。旧来型日本企業とグローバル経営型の企業では、社風はもちろん基本的な価値観まで異なっていることが多いので要注意だ(写真は経営危機で外資の傘下入りが取りざたされるシャープの本社)。

 体制が変わった企業に対して「本来はこうあるべきだ」などというべき論を持ち出すことは大変危険である。問題なのは「どうあるべきか?」ではなく、その会社のルールは「どうなっているのか?」を知ることであり、求められる能力とは、変化に合わせてゲームを行う柔軟性である。

ぜったいに持ち出してはならない「べき論」
 従来型日本企業とグローバル型企業の違いは、細かい点をあげればいろいろある。だが、根本的な部分における最大の違いは「トレードオフの概念」の有無である。
 トレードオフとは片方を取ると片方が犠牲になることを指す。グローバル企業は基本的に論理の世界なので、会社の業務には常にトレードオフが成立すると考える。だが従来型の日本企業の組織では、トレードオフは本来あってはならないことという位置付けだ。

 たとえばトレードオフが成立すると考える人は「売上げが伸びない中で利益を増加させるためには、人員を削減するしかない」と考える。
 だがトレードオフが成立しないという立場では「社員は会社の宝であり、人を減らさずにリストラをすべきだ」ということになる。

 現実には人件費削減しか方法はないので、どちらの組織であっても結局人減らしをするのだが、従来型組織では「人減らしをする」と最初から公言してはいけないのである。同じリストラをするにしても、苦悩の末にギリギリまで追い込まれたという状況が演出されなければならない。決断はできるだけ遅い方が評価されるのだ(写真は公的ファンドの支援を受けることになったルネサスエレクトロニクス)。

 一方、グローバル型組織であれば、人件費を削減するという選択肢を早い段階で提示できないようではマネージャとして失格という烙印を押されてしまうだろう。決断を遅らせることは確実に評価を下げてしまう。

 もし従来型組織からグローバル組織に変化した場合には、すぐに頭を切り替えなければならない。決してべき論などを持ち出して「受け入れられない」などと考えてはいけないのだ。

【参考記事】
リストラになりやすい人、なりにくい人
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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