なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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部下に気に入られないと出世できない?

 

 出世の決め手となるのは、多くの場合、直属の上司と周辺の部署の上司による高評価である。場合によっては、さらに上の上司からの引きというものもあるだろう。だが直属の上司や周辺部署の上司は、どのような評価基準で人物を評価しているのだろうか?

役員に昇進するためには部下からの支持が必須?
 普通に考えれば、仕事で高い業績を上げている、リーダーシップがあるといった部分を評価しているということになるだろう。だが意外にも重要とされてるのが、同僚や部下からどのように評価されているかという点なのである。上司の多くは自分の感覚で評価することはせず、まわりの評判を自分の評価にしている可能性が高いのだ。

 昇進に関するある研究では、役員に就任しているビジネスマンが、自身が役員に昇進できた理由としてもっとも多くあげたのは「部下から支持されていた」という項目であった。専門分野での高い業績や上司に恵まれたという項目よりも、部下からの評価の方が影響が大きいと答えているのである。

 この結果は、諸外国の会社から見たら理解不能であろう。上司のもっとも重要な仕事の一つは部下を評価し、誰を昇進させるのか決めることだからである。その評価や意思決定を事実上、さらに下の部下にやらせるなどということは考えられないことであろう。

 だが日本の会社の雰囲気を考えればこれは十分にうなずける結果である。日本の組織における典型的なリーダー像は、トップダウンですべてを決めるというものではなく、下の意向も十分配慮した上で、和を重視しながら仕事を進めるというものである。そうだとするならば、部下からの支持は重要な項目ということになるだろう。

周囲の不平不満を最小限に抑えられる人が昇進する
 同じ研究では、会社役員に求められる能力についても調べている。役員に就任しているビジネスマンが、役員になるための能力として絶対不可欠としたのは「専門知識」「統率力」「リスク指向」などではなく「公平さ」であった。つまり業務に関する知識やリーダーシップなどよりも、部下から公平な上司として見られているのかどうかが重要というわけである。

 これはちょっとした根本矛盾だ。人間の能力や性格は様々である。ある人は大胆な行動でバリバリ仕事するが、ある人は慎重に細やかな仕事をする。どちらがよいのかを決めることはできないのである。したがって全員にとって公平である人事評価や昇進というものは理論的に存在しない。

 だが組織はその中であえてリーダーを選抜しなければならない。だからこそルールや権限が重要となってくるのである。
 つまり公平さとは事前にルールが決まっていて、それが恣意的に変更されないということである。公平さとは制度的な問題であって、上司が備えるべき能力ではない。

 だが上司に求められる最大の能力が「公平さ」であるということは「公平さ」の意味が少々異なっていることを意味している。ここでいう「公平さ」とは全員の不満をなるだけ小さくすることができる能力のことを指していると考えられる。たとえ抜群の業績を上げていても、一部の人に不満が出るような人は上司に向いていないということである。

 結局のところ、昇進を決めるのは上司なのだが、その上司は、周囲から不平不満が出ていないかという観点で部下を評価することになる。上司に好かれ、かつ周囲からも好かれないと昇進は難しいということになる。

【参考記事】
敵を3人作ったら終わり
【関連サイト】
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投資で成功するために絶対知っておくべきこと
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