不本意な結果を受け入れる方法
サラリーマン人生をすべて順調に過ごせる人はそれほど多くないかもしれない。退職するまでの間、部署での人間関係に悩んだり、不本意な部署に異動させられたり、場合によっては左遷させられることもあるかもしれない。キャリア関係の本などではポジティブ思考で乗り切ろうなどと書いてあったりするが、不本意な状態に置かれている時にはそうそう簡単にポジティブになれるものでもない。このようなときにはどうすればよいのだろうか?
不本意な状況を打開するには3つの方法しかない
人間が不本意な状態を解消するためには以下の3つの方法しかないといわれている。
①不本意な状況を根本的に打開する
②置かれている状況を正当化する理由を作る
③状況に合わせて考えを変える
①の方法を選択すれば抜本的な問題解決が可能だが、現実はかなり厳しい。配属が不本意な状態を完全に解消するためには、転職する、起業するといった解決方法しかないからだ。
組織の中で仕事をしている以上、自分の仕事をすべて自分でコントロールすることは不可能であると理解すべきだ。
多くの人は②の方法を選択する。現状は次にチャンスがめぐってくるまでの一時的なものであり、不本意な状況はガマンして受け入れるべきであると考える。いわゆるポジティブ思考というのも、この考え方の一形態であると考えることもできる。だが無理やりガマンしているということに変わりはなく、場合によって精神的に大きなダメージになってしまう可能性もある。
あきらめの早さも重要
意外かもしれないが、出世している人は意識することなく③を選択していることも多いのだ。不動産会社の営業マンだったEさんはリストラの対象となり、系列のシステム会社に出向となった。
根っからの営業マンだったEさんは当初はショックだったが、システムの仕事をするうちにこの仕事も面白いと思うようになってきた。考えてみればこの会社に入ったのも何となくという理由であって、不動産営業に人生を捧げようなどと考えていたわけではない。
1年もするとEさんはすっかりシステム会社の人間となり、営業経験のある業務に精通したSEという会社にはなくてはならない存在になっていた。5年後、全社として戦略的なシステムの導入を行うことになり、Eさんはそのプロジェクト・リーダーに抜擢され、本社に戻ってきたのである。
Eさんは当初はショックだったものの、その後は状況に合わせて考え方そのものを変えた。いつかくる復活の日のためにガマンするのではなく、今を楽しむ方法を見つけて考え方を変えたのである。これはある意味で節操がないともいえる。だがEさんの精神衛生上の問題を考えると非常に有効なやり方である。
Eさんは価値観を変え、ゆとりをもって楽しみながら仕事ができたおかげで出向先でなくてはならない存在になれた。現状に対する不満を抱えていては、このような結果は出せなかっただろう。
出世しようと全力投入し続けることも大事だが、状況によってはあっさり諦めるくらいのこだわりのなさも重要である。それが結果的に成果に結びつくこともあるのだ。
【参考記事】
「リストラの対象になりやすい人、なりにくい人」
【関連サイト】
「お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則」
「投資で成功するために絶対知っておくべきこと」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品サイト」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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