なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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プロのスター選手をビジネスの参考にする愚

 

 マネジメントやスキルアップの分野において、しばしばスポーツの世界で活躍するアスリート達の話題が取り上げられる。とりわけイチローや松井といったプロ野球のトップ選手のマネジメント手法や思考法はビジネスマンにとって大いに参考になるという。果たしてそれは本当だろうか?スポーツがビジネスの参考になるのは事実なのだが、筆者はまるで正反対の意味で参考になると思っている。

スポーツ選手であっても客観的に評価されているわけではない
 イチローや松井はまさにトップ選手であり圧倒的な実績がある。会社でいえば断トツのエリート実力社員であり、出世して当たり前である(もちろん本人達は死ぬような努力をしているのであろうが・・)。重要なのは、あまり目立たず、そこそこの成績を出している選手の中で、誰がレギュラーに抜擢されているかという点だ。

 プロ野球選手は、平凡な野球選手からみればエリートの集まりだが、その中での実力差はやはり存在している。上位2割の選手と平均的な5割の選手、下位の3割の選手という区分はここでも生じている。この中で上位2割の選手がレギュラーになるのは当然として、残りのポジションは平均的な5割の中で争われることになる。ここでの実力差はそれほど大きくなく、誰が選ばれてもいいような状態だ。

 ここでレギュラー選手とそうでない選手を分けるのは、監督やコーチなど周辺の人にどれだけ評価されているかということに尽きる。実力がすべと思われているスポーツの世界でも、実は昇進のほとんどが数値ではなく、上司からの評価で決まっているのである。

 今でこそイチローは天才バッターといわれているが、プロ入り当初はその特殊なフォームをチームのコーチ陣が嫌い、なかなかスタメンに起用されなかった。新しく監督に就任した仰木彬氏がイチローの能力に着目しなかったら、イチローは実力を発揮しないまま引退に追い込まれていただろう。今でも新人選手がフォームをめぐってコーチと揉めるケースは多い。第二のイチローをつぶしてしまっている可能性もあるが、それが組織というものなのだ。

まずはゲームのルールを知ることが重要
 スポーツの世界ですらそうなのだから、ましてや結果を数字で評価しにくにビジネスの場合には、問題はさらにやっかいになる。とにかく重要なことは、仕事ができるできないという評価を決めるのは周囲の人であって、この人たちから評価されないと、昇進する可能性はほぼゼロという事実である。

 特に日本の組織の場合には、何をもって能力が高いとするかという評価基準があいまいなことが多い。つまり評価基準そのものも、周辺の「空気」によって決まってくる。出世するためには、まずこの「空気」で決定された評価基準そのものを理解することが重要である。いい悪いは別として、ここで決められた評価基準を満たしていない限り、そもそもスタートラインに立つことすらできないのである。ルールを知らずにゲームに参加することほど愚かなことはない。

 ルールが分かったら、次はその基準を満たすように実際に行動することが求められる。コーチが望むフォームでスイングしなければ評価されないと同様、上司が望む形で実績を上げなければ評価対象にはならない。
 本当は実力があるのに正しく評価されていないと不満を持つ人のほとんどが、このルールの存在を知らないか、誤解している。

【参考記事】
実績を過信するな!
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
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