なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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アップルのジョブズ氏に学んではいけない

 

 アップルのカリスマ経営者であったスティーブ・ジョブズ氏が亡くなってから1年が経った。ジョブズ氏は死後、さらにカリスマ化が進み、もはや伝説の経営者になっている。世の中にはジョブズに学べというトーンの本が数多く出版され、ある大学院ではジョブズ氏をモデルにした人材育成を行っているという。だがジョブズ氏は本当に出世したいビジネスマンの参考になる人なのだろうか?その答えははっきりしている。「ノー」である。

風呂に入らなかったジョブズ氏
 まず最初に言っておくと、スティーブ・ジョブズ氏は天才である。しかも、そうそういるようなレベルの天才ではなく大天才である。凡庸な我々が参考にできるところはほとんどない。しかも多くの大天才がそうであるように、ジョブズ氏の人格はかなり破綻しており、普通の人が到底付き合えるような人間ではない。起業家ならともかく、組織で出世しようというサラリーマンにとってまったく参考にならないだろう。

 ITの起業家には多いが、そもそもジョブズ氏は反体制的なヒッピーの出身である。
 高校生の頃、長距離電話を不正にタダでかける装置の記事を読んだジョブズ氏は、のちにアップルの共同創業者となるスティーブ・ウォズニアック氏と一緒にその装置を自作した。彼らは長距離電話をタダでかけまくっただけでなく、その装置を友達に売り捌いて大儲けしている(しまいには銃で脅され販売を中止した)。
 米国社会はこの手のイタズラ(悪いことではあるが想像力とアイデアに富む行為)に寛容だが、これが日本なら警察がしゃしゃり出てきて即刻逮捕で牢屋行きだ。

 ジョブズ氏は大学に入学するも中退してしまい、東洋思想とドラックにハマって、長髪で風呂に入らず、サンダル履きで近辺をうろついていたという。彼はヒッピーで菜食主義者なので体臭がするわけがないと本気で信じていたのだ。やがて彼は自宅のガレージでアップルコンピュータを創業することになる(ちなみに彼はドラッグもやったことのないようなヤツが創造的行為などできるわけがないと言い切っている)。

初期のアップルはハチャメチャ
 今でこそアップルは独創性の象徴のように語られているが、初期製品の実用化にあたっては、他社から平気でアイデア盗用などやりたい放題であった。というよりも、ベンチャーというものは想像を絶する激しい競争の世界であり、そのくらいのことを平気でやるようでなければ勝ち残ることなど出来なかったというのが実態である。

 ジョブズ氏の宿敵でマイクロソフト創業者のビルゲイツ氏も、タイプは正反対だが企業としての行動は似たようなものである。Windowsの基礎となったMS-DOSというOSは、IBMがパソコンを開発するにあたって開発を外部に委託することを決定し、マイクロソフトが受注して開発されたものである。

 IBMから話があった時点でマイクロソフトにはOSを開発する能力はなかった。だがゲイツ氏は受託できますと大見得を切って即答し、そこから血眼になって条件に合致するソフトを探し、二束三文で買い付けてIBMに納入したというのが実態である。これを世界的なソフトウェアに仕立て上げてしまうのだからゲイツ氏も大天才なのである。

 話はそれたがジョブズ氏の他人に対する接し方は醜く、彼の目には天才かクソ野郎の2種類しか存在していないといわれた。天才と認定されなければクソ野郎扱いとなり、相手がノイローゼになるまで罵詈雑言を浴びせて退職に追い込む。アップルを去ったある技術者は、数十億円になるストックオプションをフイにしたことを記者に問われ「ジョブズ氏と仕事をしなくてもよいならそれは数十億円以上の価値がある」と言ってのけた(ちなみにライバルのビル・ゲイツ氏も若い時の相手に対する罵り方はハンパではなく、ジョブズ氏といい勝負だった)。

天才は運命がトコトン味方する
 ジョブズ氏はその性格のひどさから、アップルの創業者で大株主であるにもかかわらず会社から追い出されてしまう。追い出されたジョブズ氏は死ぬほど落ち込み、2ヶ月間家に篭り朝から晩まで大音響でボブ・ディラン(伝説的な反逆のフォーク・シンガー)を聞いていたという。

 だが天才とはとことん運命が味方する。アップル退社後に出資したピクサー社が映画「トイ・ストーリー」で大成功する。アップルだけでも使い切れないほどの資産を得たのに、彼はさらに巨万の富を築くことになる。やがて経営危機に陥ったアップルから三顧の礼で迎えられ、その後、今に至るまでの成功を実現しているのは誰もが知っている通りである。

 ジョブズ氏の人生はまさに破天荒であり、一般人が学べることろはまるでない。しかもアップル自体の成長も、勝つためならどんなことでもする、ということぐらいしか教訓になるものはない。
 ジョブズ氏を立派なリーダーとして扱っている教科書があるのならそれはウソの内容である。後世の人が都合よく作った虚構のストーリーなので、現実のビジネスには参考にならないだろう。
 だがもしあなたが起業家として成功しようとしているならば、ジョブズ氏の人生は非常に参考になることだけは間違いない。と思う。

【参考記事】
松下幸之助や本田宗一郎は参考にならない
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
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