なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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グローバル化は英語だけの問題ではない

 

 これから組織で出世しようと思ったら、多かれ少なかれグローバル化への対応は必須である。まずは英語ということになるわけだが、日本人の場合、英語以前にグローバル化にあたって超えなければならない大きなカベがある。それはグローバル化に対する心理的障壁である。

IT技術者が直面した恐ろしい現実
 日本人は閉鎖的なムラ社会であるせいか、これまで経験してきた枠組みと違うことに対する拒否反応が著しく強いといわれている。
 情報システムの世界は米国が圧倒的な影響力を持っており、英語ベースで開発されたソフトは多い。外国でも高いニーズがあるソフトについては現地の言語に合わせて改造(ローカライズと呼ぶ)されるが、それには相応のコストがかかる。それほどのニーズがないものについては英語版のまま用いられることも多い。

 英語と現地語という違いはあっても、実施する業務は同じである。例えば在庫管理の仕事であれば、米国でも日本でも中国でもやることは同じであり、在庫管理ソフトの機能や見た目はそれほど変わるわけではない。英語版のソフトをそのまま導入したとしても、当初は少し戸惑うが、すぐに慣れて問題なく使用できるようになるという。

 だがこの常識が通用しない国が唯一存在する。それが日本だというのである。日本では英語版のソフトを導入すると、利用者が思考停止をしてしまい、まったく操作ができなくなるという状況がしばしば発生するというのだ。
 もちろんシステム会社側はマニュアルを用意しているし、在庫-Inventory、検索-Serchというような単語の変換リストも提供している。だが問題はそういうところではないようだ。今まで経験していない枠組み自体が受け入れられないのだという。しかも英語教育の期間はほとんど影響しないらしい。大卒で10年間英語を勉強してきた人も、高卒で6年間しか勉強していない人でも状況はあまり変わらないのだという。

臨機応変な中国人。呆然と立ち尽くす日本人
 こうなってくると英語の問題ではないことがよく分かる。
 同じ漢字圏であっても中国人は臨機応変だ。筆者がかつて現地でイートイン方式の惣菜店に入ったときのこと。筆者は中国語が話せず、相手は英語ができない。山のように料理が並んでいるが、値札もないし、何がどうなっているのかさっぱり分からない。

 だが店員は言葉が通じないことが分かると即座にOKのサインをして、どれとどれがセットでチョイスできるのかを手早く身振りで示した。無事にご飯と料理が盛られ、おまけにスープのお持ち帰り容器まで付けてくれた。ここは外国人が多く訪れる観光地のお店ではない。現地の人しかいかない惣菜屋さんである。おそらく言語や文化が異なる相手に対する拒絶反応が少ないのであろう。

 一方日本人はこういう場面で立ち往生することが多いようだ。先日入った立ち食いそば屋さんでは日本語がまったくできないロシア人とおぼしき客が、どうもそばとうどんの違いを聞きたがっているようだった。だが店員は、あいまいな笑顔をうかべているだけでただ立ち尽くしている。客もどうしてよいか分からず、結局立ち去ってしまった。

グローバル化の本質は言語にあらず
 グローバル化は言語の問題ではないのである。言語だけでなく、宗教が違ったり、習慣が異なっている人たちと、どのように効率よく意志疎通ができるかというのがグローバル化の本質である。社会学的には男性社会における女性は、エスニック(少数民族、マイノリティ)という扱いになる。女性社員に対してどう接してよいか分からないという男性社員は、すでにグローバル化におけるスキルが不足しているのだ。

 さらに身近な例をあげれば、オタクでちょっと変わった人や病気がちの人など、普通と少し違う人に対するコミュニケーションもまったく同じことである。こういった人たちとうまく意志疎通ができるのであれば、グローバル化など心配する必要はない。英語などやる気になればすぐに何とかなる。
 だがこういった本質的な障害は簡単には克服できない。自分と異なる人とのコミュニケーションが苦手な人は、言語よりも先にまずこの部分を改善していかないと、グローバル化社会に取り残されてしまうだろう。

【参考記事】
英語はできた方がよいに決まっている
【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
投資で成功するために絶対知っておくべきこと
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品サイト
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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