なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

ビジネスパーソン100人への取材で明らかになった出世する人の特徴

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公務員に学ぶ究極のサラリーマン学

 

 出世したいか?と聞かれて、したくないと答えるサラリーマンはあまりいないだろうが、実際のところは、出世というよりもリストラされずに何とか生き残りたいという人の方が多いのではないだろうか?出世して社長や役員にならなくてもよいので、とにかく振り落とされないようにするにはどうしたらよいか?その極意は、究極の年功序列社会である公務員に学べることろが大きい。

遅れず、休まず、働かずの極意
 公務員を揶揄した格言に「遅れず、休まず、働かず」というものがある。この格言は公務員が置かれた環境をよく表している。公務員というのは終身雇用と手厚い年金が保証されており、とにかく定年まで何事もなく勤め上げることが何よりも優先される。

 したがって人事も、年功序列、減点主義が徹底している。成果を上げても評価されることはなく、何か問題を起こすとマイナス評価となる。このため、ひたすら問題を起こさないように公務員人生を全うすることが重要となる。
 「遅れず、休まず、働かず」というのはそういう意味である。遅刻したり、無断欠勤すると評定が下がるので、絶対にしてはいけない。だが成果を出しても評価されるどころか、失敗すればマイナス評価である。働くだけ損なのだ。評定を下げることはしてはならないが、がんばって仕事をするというリスクを伴う行動もご法度というわけである。
 これを聞くと、税金を払っている国民にとっては腹立たしい限りだが、制度がそうなっている以上、公務員にとってはそのように行動することがもっとも合理的なのである。

とにかく下位3割に入らないことが重要
 実はこのことは多くの民間企業にも当てはまる。出世できる社員は2割、切捨てられる社員は3割程度である。あとの5割はフツーの社員であり、まずはこの5割に入ることが重要である。そのためには、成果を上げることよりも、まずマイナスを作らないことが第一といえるだろう。

 当然だが民間は公務員よりも職場環境がはるかに厳しい。遅刻、欠勤がないことは最低限といえよう。特に民間で重要なのは、上司の指示にはぜったい逆らわないという点である。
 最近はコンプライアスとやらがうるさく、むやみに残業が出来なくなっている。残業しないと仕事が進まないのも事実なのだが、減点されたくないのなら絶対に残業などしないことだ。上司や総務に目をつけられていいことなど何もない。そんなことを皆がやっていると会社の業績は下がる一方だが、あなたには関係のないことだ。第一あなた一人が頑張ったところで会社の業績が上向くわけではない。とにかく減点されないことが重要なのである。

敵を作ることは百害あって一利なし
 以上に加えて公務員人生にはさらに重要な教訓があるらしい。それは上司であれ部下であれ出入り業者であれ、誰に対しても腰を低くすることだという。地方公務員のEさんは父親も公務員だった公務員一家である。Eさんは父親から役所に入るにあたって「誰にでも例外なく腰を低くしろ」ときつく言い聞かされた。

 公務員は何もしなてくもそのままでおいしい人生である。これを失いたくなければぜったいに敵を作ってはいけないというのだ。部下だといって安心してはいけない。部下が役所を辞めて地方議会の議員になるかもしれない。出入りの業者も同様である。突然、市長が民間の意見を聞きたいなどと言い出して、民間人をアドバイザーに招いたりする。誰がいつ自分の上に立つかわからないのである。

 Eさんの父親にいわせれば、公務員で横柄な人というのは、公務員の美味しさをまったく理解していない大バカなのだという。Eさんの父親はひたすら低姿勢で(内心はせせら笑い)公務員人生を過ごし、何のトラブルもなく退職。高額の年金をもらって、ウハウハの人生だそうだ。

 このケースも少し極端ではあるがやはり応用が可能だ。会社の再編や成果主義人事など、職場をめぐる環境は激変している。誰がどのような立場で自分と対峙するか予想できない。つまらないところで敵を作るのは百害あって一利なしである。下位3割に入りたくなければ、少々のことはガマンし周囲にはひたすら低姿勢で臨むのがよい。

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